日ごとの寒暖差に戸惑いつつも、たしかな春の気配を感じるこの頃。
街行く方々のファッションにも、
春らしい軽快なカジュアルスタイルがお目見えしはじめました。
毎年恒例ともいえる”春カジュアル”の中でも、
欠かすことのできないアイテムといえば、デニムパンツ。
そんなデニムパンツに、今季は或る流行がおとずれています。
その流行とは、
切り離したままのようなダメージを裾に施した、”カットオフ”スタイルのこと。
デニム生地特有の切り口の柔らかいほつれには、まるでフリンジのような装飾感が。
コートやニットセーターなどのシンプルなトップスに対し、
アクセントを添えるような感覚で、愛用している方が多いようです。
基本となるパンツそのものは、ワイドからスキニーまで太さは問わず。
そのシルエットに関わらない自由さは、今回の”カットオフ”スタイルの魅力と言えます。
そして愛用者のほとんどに共通しているのが、くるぶし丈をチョイスしているということ。
引きずってできたダメージにしか見えないような、長い丈のものはノーグッド。
足もとはハイカットのブーツなどではなく、
ミドルカット以下のスニーカーや革靴との組合わせが主流となっています。
取材した方の中には、
「もともと持っていたデニムパンツの丈に、野暮ったさを感じてきちゃって…」
と、ご自身で裾にハサミを入れられたという方も。
この冬まで続いていたワイドパンツの流行に伴った、
裾の位置やシューズとのバランスなどへの高い意識が、
春のデニムパンツにも引き続いていると言えます。
同じくるぶし丈にしても、ロールアップよりカットオフの方が、
潔く大胆な印象を演出できているようです。
見慣れたデニムパンツスタイルの中に、この春らしい変化が確かに表れていました。
裾のカットひとつで、大定番アイテムに”旬”が備わってしまう…
ファッションの流行の面白味も、ここにはよく表れているようです。
潔いカットのデニムパンツと、新鮮な気分で迎える季節…
いわゆる流行りものも、この春は決して悪くはなさそうです。