インタビュー

眞鍋 和博先生/自ら考え、行動する人材を育て「持続可能な社会」を創りたい。

自ら考え、行動する人材を育て「持続可能な社会」を創りたい。

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眞鍋 和博先生へ3つの質問

Q.この仕事に向いている人は?

A.人や社会に興味があり、それらをより良くするため力を尽くしたいと考える人。

Q.座右の銘は?

A.リクルート創業者の故・江副浩正氏の言葉「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」。今も実践しています。

Q.職業ならではのクセは?

A.小倉などへ飲み会や食事に行くと、うちの学生がいないかついチェックを…見かけたら一声かけてもらえる方が安心(笑)。

キャンパスは「地域社会」。眞鍋先生は、商店街の活性化や被災地支援など、学生が地域をフィールドに実習を行う「地域実践型教育」を全国に先駆け取り入れた、大学キャリア教育の草分けだ。一つの理念や目標で動く企業と違い、地域社会には高齢者も子どもも、貧富の差もある。多様性の中で様々な人と課題解決に向かうプロセスが、座学では得られない多角的な視点や、自らの不足に気づかせる。例えば、地域福祉のプロジェクトなら福祉に加え経済や法律の知識なども必要だ。何を学ぶべきか明確になることで学生のモチベーションも上がり、調整力や統率力などを発揮して劇的に変化する学生も数知れない。

彼自身、学生時代に100種類以上ものアルバイトを経験した。やりたいことを模索し続け、就職後にようやく見出したという、根っからの行動派だ。きっかけは、問題意識。仕事上、高校生への進路指導の実情を知る機会があったが、そこでは大企業や公務員を勧めるだけ。働く意義も可能性も教えない画一的な状況に愕然とした。「自分に何ができるか考え、教育現場を理解しようと27歳で通信制大学へ入りました」。激務の中、早朝や移動時間を勉強にあてて6年がかりで教員免許を取得。同時に、縁あって大学教授に声がかかる。「あらゆる社会問題を自分の課題として捉え、調べ、行動して、持続可能な社会を創る若者を育てたいんです」。

高齢化していた街も学生が入って活気づき、地域や行政からどんどん頼りにされるようになった。学生を単なる労働力ではなく、一緒に育てようと受け入れてくれる豊かな土壌が北九州にはあるという眞鍋先生。学生が育つこと、地域が元気になること。この2つが現在のライフワークだ。
「若い頃から、15年×3本勝負、人生で3つ仕事をしたいと思っていて。今、大学教員になって10年。同じ場に固執するより、自分自身も成長したい。やりたいことも色々あるので思案中です」。

次のステージは果たして? だがきっと、実践の轍からチャンスを見出し、未来を照らしてくれることだろう。

北九州市立大学 教授/地域創生学群長/地域共生教育センター長
北九州まなびとESDステーション 事業推進責任者
眞鍋 和博先生

1970年北九州市生まれ。熊本大学を卒業後、1992年(株)リクルート入社。業務の傍ら34歳で教職免許(高校地歴)を取得。2006年北九州市立大学キャリアセンター助教授(現教授)就任。2009年、同大学地域創生学群の専任教員となり、地域社会における実践活動を通じた学生の育成を推進。また、2013年には市内10大学と地域が連携したキャンパス「北九州まなびとESDステーション」を立ち上げる。

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