私が泣きながら病室に戻って
負けない!絶対に乗り越える!! と自分に必死に言い聞かせ
憎きスキルスにファインティングポーズを向けようとしていた時
義姉には衝撃の話があったということを 1年ぐらいたって聞かされた
私の余命
手術できても、生存率は普通の胃がんの場合の半分
もし手術できなかったら 余命2~3か月
私の人生の幕引き時 短すぎる ・・・
聞かされた義姉は相当なショックだったと ―――
でもその時 私と母には黙っていてくれた事 とても感謝している
スキルス胃がんだとか 手術だとか 合併症だとか
強烈な衝撃を受け、必至で立ち向かおうとしているのに
その時、さらに追い打ちかけて「余命」とか明確な時間を聞かされていたら
もう 自分を支え切れなかった
急激に襲ってきた運命に心も体も振り回されているのに
それにその時は「死ぬ」なんてこと現実に感じていないのに
そんなこと言われてたら ・・・
決定的な事を受け入れるなんて 絶対無理 ・・・
――― 余命 ―――
残りの人生をできるだけ自分の思い通りに生きるためにも
伝えることも必要なのかもしれないけど・・・
私はその時聞かされなくてよかったと思っている
義姉も手術の説明で泣いている私に
到底言えるわけがなかったのだと思う
逆の立場でも言えない 言えるわけがない
本人へ言うか言うまいか
家族はどれほど悩み苦しい思いを抱えるのだろう・・・
そして心に仕舞い込んで
何も聞かなかったかのように振舞うしかなかったのだと・・・
あの日、義姉一人にそんな辛い思いを背負わせてしまい申し訳なかった
本人より家族の方がずーと精神的に苦しい思いをするんだと思う
義姉は変わらず そして 何も語らず
私に気付かれることもなく
面会時間をしばらく過ぎて母を連れて病室を後にした
私や家族にとって試練の一日だった
☆いっこ☆