日本は世界一の長寿国になって久しいですが、最近では、平均寿命が百年まで延び、それだけ長い人生をどう生きるかということが語られるようになってきました。その中で、どのように長くなる人生の時間を生きるかということは、良く語られるようになってきましたが、生活していくには「お金」の問題は欠かせません。それに備えずして、百年人生を語ってもそれは空論といっても過言ではないでしょう。百歳まで生きるということは、退職後も30年近くの時間があるということです。さて、それに皆さんは経済的な面で、どう「備え」ていらっしゃいますか?
年金は、確かに「備え」の一つです。でも、それだけで本当に十分か、考えたことはありますか?不足するとすれば、貯蓄や運用、そして投資ということも考えておかなければたちいかなくなります。日本では、投資教育も進んでおらず、金融機関も積極的に商品を開発してこなかったことや、昨今のマイナス金利政策もあり、資産運用はあまり注目されないで来ました。もちろん、資産を増やすことに熱心な方もいらっしゃいますが、「資産運用」というと、「濡れ手に粟」という言葉のように、苦労しないで得た不労所得のようなイメージがあり、まだまだ、しっかりと取り組んでいらっしゃる日本人は多くはないと思います。
一方で、私が拠点とする香港では贈与税や相続税が課されません。投資から得たキャピタルゲイン(譲渡益)や配当金に対しても課税されません。従って香港の富裕層は税金については悩みが少なく、資産をどう増やすかに注力するようになります。そうすると資産運用に対する金融機関への要求や期待も高くなるというわけです。こうした背景もあり、香港では、世界中のより広い運用機会を得られるようになり、それが運用資産を呼び込み、金融センターとして急速な発展をもたらしました。
本当に日本人は、お金のことを考えなくていいのでしょうか?日々の生活や趣味娯楽、車や住宅にもお金は掛かります。長期で見ると、学資や老後にもお金は必要です。今、ある程度の目処がついているという人でも、望む以上に長寿になることはありえますし、インフレや円安という、見通せない要因にも生活が左右されることは起こるかもしれません。こうした事態に、一定程度の「備え」を持っておくことは、とても重要なことです。
節約や貯蓄で、これらを賄うことができれば、それはそれで結構なことですが、低金利の環境のもと、貯蓄だけでは覚束ないというのが現実ではないでしょうか?そこで、大事なことはお金にも働いてもらう「資産運用」が重要になってきます。
実は、資産運用に経験のあまりない方でも、実は、ほとんどの方が資産運用を経験してきています。企業にお勤めの方は、企業「年金」として、将来の年金というキャッシュフローを作り出す仕組みの一部を担っています。個人でも、「保険」の形で、死亡保障以外の貯蓄保険や学資保険の形で、資産運用に相当することに取り組んでいらっしゃいます。ところが、「運用」実感もなく、「成果」も実感できていない、というのが実態です。このブログでは、「資産運用」について、日本と海外(とくに香港)を比較しながら、書いていきますので、一緒に考えていただく機会を持っていただけたらと思います。