コラム

債券って何ですか?(「確かなもの」と「不確かなもの」のお話 - その2)

前回は「株式」について考えてみましたが、みなさんは「債券」についての知識はお持ちでしょうか?今回は「債券」について詳しくお話しします。

「債券」とは何でしょう?

「債券」とは、お金を借り入れるときに発行される有価証券です。ある条件(年間の利子や期間)でお金を借りて、そのことを紙に書いて、返しますということを約束している契約書です。債券を持っている(購入)人は、債券を発行した者(会社や国など)にお金を貸し付けていることになります。ズバリ言うと、「借金の証文」です。

 

「債券」の確かなものとは何でしょう?

一般的な「債券」は、発行(借金)する時に条件が決められています。償還期限(借金をいつ返すか) や利率(年間の利子の割合)などがきちっと約束されていて、購入者は、その条件に従って利息(利金)を定められた日に受け取ることができるほか、償還期限を迎えると、元金である債券の発行時の金額(額面)の支払い(償還)を受け取ることが出来ます。

 

つまり、決まった日に、決まった利息を受け取り、決まった日に額面が受け取れることが「債券」の確かなものといえます。

 

例えば、5年後の2024年6月20日を償還期限として、年に2回5.00%の利率を条件に発行された債券は、額面が100万円であれば、償還されるまで毎年12月20日と6月20日に2.50%に相当する2万5千円を受け取り、償還日に元本である100万円が戻ってくるということになります。(※利息にかかる20%の税金はここでは勘案しておりません)

 

このように「債券」は、将来入ってくるお金の見当がつきますから、利率が魅力的であれば、安定的な運用を目的に購入して運用手段として使うことが出来ます。「株式」よりも見通しが立てやすいので、資産運用の世界では圧倒的に債券での運用規模が大きいのが実態です。機関投資家と呼ばれる、年金基金や保険会社、運用会社などは、膨大な額を主に債券で運用しているのが実態です。ですから安定的な運用ポートフォリオの構築には無くてはならない存在なのですが、日本人には、個人向けにはあまり販売されていないため、馴染みが薄い、というのが現状です。

 

「債券」の不確かなものとは何でしょう?

「債券」の不確かなものは何でしょうか?それは「債券」のリスクを考えてみると分かります。債券の「リスク」とは何でしょうか?

 

  1. クレジットリスク

債券は、先ほども述べたとおり「借金の証文」ですから、お金を借り入れた債券の発行体が破産したり、夜逃げをしてしまうと、利金は支払われず、元本も償還されません。発行体が信用できるかどうかが肝心なのです。これを、発行体の「クレジットリスク」と呼びます。購入するときは、利率と信用度のバランスを考えて投資する必要があります。

 

  1. 債券の価格リスクと市場金利との関係

上記ので例で挙げた、5年後の2024月20日を償還期限として、年に2回5.00%(年率)の利払いを条件に発行された債券を再度考えて見ましょう。もし、同じ期間で5.00%(年率)よりも高い利回りで他の手段で運用ができる環境であったら、どうでしょうか?この債券を持っている投資家は、それを売却して他の手段を選択します。つまり、この債券は売り圧力から価値が下がるはずです。債券は、発行されたときには、額面に対して100の価値で発行されるのが普通です。従って、100の価値は下がっていくことになります。一方で、同じ期間で他の手段は5.00%(年率)よりも低い利回りでしか運用ができない環境であれば、前述の債券の価値は高まります。つまり、債券は市場の金利との裁定が働いて、それとの比較で、価値が上下するのです。これが債券の価格リスクで、市場金利が大きく動く際には、注意が必要です。

しかし、「株式」に比べれば、「債券」の価値の変動幅は一般的に小幅で緩やかです。

 

  1. 流動性リスク

市場が荒れたときに、買い手が不在となる場合があり、これは流動性リスクと呼ばれます。ただ、流動性リスクは、「株式」にも当然ありますので債券特有のものではありません。従って、元本の返済が予定されているという点で、「債券」のリスクの大半は発行体の信用度に集約されます。

 

 

「信用格付け」とは何でしょう?

「信用格付け」とは、専門格付け業者が、発行体である会社や国の財務状況をチェックして、それぞれに格付けをつけているのです。ちなみに最上格の格付けを「AAA」で表すなどしていて、投資家はその格付けを投資判断の際の参考にしています。一般的に、年金の運用をする基金や保険会社などの機関投資家は「BBB」までの格付けを持った発行体の債券しか買いません。逆に言うと、格付け「BBB」未満の債券はリスクが大きいということです。「BBB」格以上の債券は投資適格債券、「BB」格以下の債券はハイイールド債と呼ばれて区別されています。これが、両者の間に大きな利回りの差を生む事も知っておきましょう。利回りは高いけれど、そういうものにはリスクがあると言うことです。

 

「まとめ」

「債券」と「株式」の違いは何でしょうか?

「債券」は、その発行主体(国や企業など)がお金を借り入れるときに発行する借金の証文です。つまり、借りたものはあらかじめ約束された条件(金利の支払いなど)を履行して、満期日には返済する義務が生じます。万が一、それを履行しなければ、債務不履行(デフォルト)となり、発行体はつぶれてしまいます。経済原則から、しっかりとその履行が約束されているのです。

一方、「株式」は、会社そのものの価値を小分けしたものであり、投資家が投資したお金は会社の資本として組み入れられています。会社は、解散する場合以外には、資本を投資家に返す必要がなく、返済に応じる必要もありません(自発的に自社株買いなどで株式を買い入れる場合を除く)。なお、投資家(株主)は、他の投資家に保有する株式を売ることで、投資を回収することが出来ます。

 

以上、2回にわたって、「株式」と「債券」とは何か、そしてそれぞれの確かなもの、不確かなものについてお話してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

次回は、為替についてお話したいと思います。

ABOUT ME
長谷川建一
長谷川建一
Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(NWB/日本ウェルス)CIO。 京都大学卒、MBA(神戸大学)。 シティバンク日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、2000年にシティバンク日本のリテール部門で商品開発や市場営業部門のヘッドに就任。2002年にシティグループ・プライベートバンクのマーケティング部門ヘッドに就任。 2004年末、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に移り、マーケティング責任者として活躍。2009年からはアジア・リテール戦略を担い、2010年は香港にてBTMUウエルスマネージメント事業の立ち上げに従事。 2013年よりNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(ニッポン・ウェルス・リミテッド・リストリクティド・ライセンス・バンク/日本ウェルス)を創業し、COOに就任。2017年3月よりCIOを務める。 >>長谷川建一氏登壇のセミナー:https://gentosha-go.com/articles/-/13973
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