アヴァンティ特派員

映画『アナと雪の女王2』王道パターンと予想外の結末がミックスされたエンターテイメント

なぜエルサに、雪と氷を自在にあやつる力が授けられたのか。
彼女にだけ聴こえる「遠い歌声」の主は誰なのか。
亡き父が、幼い姉妹に語った物語に隠された秘密とは。

「王子さまと王女さまが結ばれてメデタシ」王道パターンを砕氷船のごとくバキバキ打ち砕いて社会現象となった前作に続いて、さらなる選択肢を私たちに提示してくれる希望の続編。

前作からはや3年経ち、前のストーリーを憶えていない人も
「実は前作、観てないんだよね…」な人も大丈夫。
オラフが全力であらすじを教えてくれます。
何言ってるかわからないけど何を言いたいかはわかる、そんな人いませんか。
それがオラフ。雪だるまですけど。

今回、エルサやアナとともにスクリーンいっぱいに躍動するのは、雪と氷だけじゃありません。
舞い踊る風、はしゃぎまわる炎、光をはらんで疾走する水、かなたへ響く大地。
それら目のくらむ優美な動きは生き物のようで、大自然の魔法に館内にいるのを忘れます。

この世界を構成する4要素「水・風・火・大地」。
そして「第5の要素」とは。
ぶ厚い霧の立ち込めた森にエルサたちが分け入ると、見たことありそうでまずない自然の表情に私たちもすっぽり覆われます。

大切なものがある人も、かつてあった人も。
姉妹がいない人でもおそらく共感する「大切な誰か」との関係性に自分が重なる物語。
エルサやアナといった主人公以外に物語の軸を握る新たな登場人物たちの「口をつぐんだ一瞬の表情」に、言葉にならない何かを感じてグッとくるはず。
静と動のコントラストが美しい映画です。

とはいえ「歌スゴイ!」「 映像キレイ!」だけでなく、人間のエゴといった重たいテーマも横たわる今作。
自国の民(というかおのれの保身)のために、歴史がねじまげられる経緯も今に通じるものがあります。
胸が痛む場面もあるのでズーンと暗くなるかと思いきや、重たい空気以前に重力と無縁そうなニンジン刺した雪だるま(オラフ)の天衣無縫っぷりに救われます。
オラフが動けば劇場の子どもたち大喜び。
オラフが話せば笑い声。
それでいて一見KYなオラフのなにげない言葉は人生の本質を突いていたりするので、ハッとさせられる大人も多いのでは。

重さと軽さ。
クラシックとカジュアル。
「王道パターン」と「予想外の結末」。
振り幅の大きな味わいが2時間にギュッと収められた、豊かな映画です。

「ただでさえ年末は忙しい」「癒し旅なぞ夢のまた夢」なあなたに、映画一本分のプチ旅を。
1年いろいろあったけど、なんだかんだ乗り越えたよね……
そんな自分をねぎらうのに、最高峰の映像美と究極の音楽にどっぷり浸れる2時間は自身へのクリスマスプレゼントにもいいかもです。
エンドロールが果てしなく長いけど、最後まで席を立たないのを強くオススメします。
新しい元号をまたいだあなたへ、この世でいちばん素敵なメッセージが届けられるから。

(ライター:しんがき佐世)

ABOUT ME
アヴァンティ編集部
アヴァンティ編集部です。 働く女性を応援するお役立ち情報をたくさん提供していきます!
この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます
no image アヴァンティ特派員

福岡こども専門学校

2018年1月27日
アヴァンティオンライン
博多駅から徒歩5分のところにある、保育士を養成する専門学校です!社会人を経験して再進学をした在校生の紹介や、社会人の方に有利な国の制度等の情報発信をしていきます。自分の将来や夢につ …