読書感想文

『ジム・ロジャーズ世界大発見』ジム・ロジャーズ(著)を読めば、旅に、冒険に出たくなる

旅に出るのに、様々な理由があります。

ある人は見たことのない景色を見るため。
ある人は現実逃避のため。
ある人は家族との思いでのため。

そして、また、ある人は投資のため・・・。

今回は、冒険投資家ジム・ロジャーズという人が書いた本についてのお話です。

著者のジム・ロジャーズはどんな人?

ジム・ロジャーズは投資の分野では有名人です。
イェール大学、オックスフォード大学を経てウォール街に。

著名投資家ジョージ・ソロスとともにクォンタム・ファンドを共同設立。
10年間で4,000%を超える驚異的なリターンを実現。

その後、バイクによる世界一周の旅を成し遂げる。
冒険投資家というキャッチフレーズの通り、冒険しまくって投資したりする人です。

日本でもたまに講演していますので、ご存じな方もいらっしゃるかもしれません。

『ジム・ロジャーズ世界大発見』の概要

本書はジム・ロジャーズの二度目の世界旅行の記録になります。
1998年末のアイスランドから2001年末にアメリカに戻るまでの記録。

116カ国を走破、152,000マイルに及ぶ長旅。
前回はBMWのバイクで世界一周。

今回は改造したメルセデス・ベンツによる世界一周。
どちらもギネスブックに載っている大旅行とのこと。

世界各国の経済・投資のことが感じ取れる一冊

ジム・ロジャーズは投資家です。
旅行は有望な投資対象を見つけることが目的ではないと述べています。

ただ、投資家たるもの、ついつい何かを見つけてしまうらしく、中国、アフリカ、南米の行く先々で投資家の目で市場のことを調べてしまうそう。

そういう天才投資家ジム・ロジャーズの目による経済のこと、投資のことを感じ取れる一冊になっています。

「通貨は体温計」

日本に住んでいると、日本が当然で、今この国で起きている状況や環境が普通のものと思ってしまうわけです。

たとえば、自国通貨は「円」ですが、それが使えるということを当然のごとく思っています

しかし、世界にはそういう国だけではなく、国民が自国通貨を受け取らない国もあるそうなんです。

私たちはユーゴスラビアに入ろうとしえちるのに、国境警備隊がユーゴスラビアのお金を受け取ろうとしない。自分の国のお金は嫌だというのだ。

(中略)

彼らはドルやドイツマルク、オーストリアシリングは受け取るが、自国通貨を受け取ろうとしない。この国で深刻な問題が起きていることがわかった。

世界のほとんどの場所で、通貨は体温計の働きをする。

何が起きているかはわからなくても、何かが起きていると教えてくれるのだ。政府の人間まで自国の通貨を拒否するなら、その国は崩壊しかかっている。

正直、僕はまだこういう発展途上国というか、マイナーな国を旅したことがありません(今後は行ってみたいと思っていますが)。

ただ、世界は広くて、日本円のような信頼性の高い通貨だけではなくて、経済が弱く、国力も弱い国が発行する信頼性の低い通貨も多くあります。

ハイパーインフレして100万が1単位になるような通貨もあれば、公定レートと闇レートが10倍も違う通貨もあります(本当の価値は1/10ということ)。

未体験なことではありますし、今後の人生で経験しておかないといけない話かと言われると、そうではないのではないか、と思うこともあります。

別に発展途上国に行かなくてもお金を稼ぐことはできますし、生活はできます。

ただ、何か知らないところに行ってみたい、体験したことのない体験をしたい、広い世界を見てみたい。

そういう冒険心のようなものに突き動かされて、世界を見てみるのもいいのではないか、と思うんです。

本書は400ページぐらいあって、上記の引用部分はものの半ページくらいしかないので、残り399.5ページが残されています。

そこにはジム・ロジャーズが旅した国。
たとえば、アイスランド、カザフスタン、モンゴル、中国、そして、日本。

そういう国々を天才投資家ジム・ロジャーズの目線で分析してみるという追体験ができる本です。

『ジム・ロジャーズ世界大発見』を読んで、実践に向けて

本書が出版されたのが2003年ということで、正直、情報が古くなっている感は否めません。
ただ、そこに描かれた天才投資家の視点は学びになるはずです。

僕は本書を読んで、冒険に、旅に出たくなりました。
旅に出て、その国を感じ、歴史を知り、投資する。

そういう生活をしてみたいです。

ABOUT ME
竹内 正浩
でんホーム株式会社 取締役。九州大学経済学部卒。注文住宅の建築、お家の外構工事をしています。はじめて注文住宅を建てる人のための情報メディア「DENHOME」編集長。