目的を持って始めた学びも、なんとなく始めた習い事も、人生で大きな意味を持つ時が来る。振り返って学びの点と点を結ぶのが人生。今月は、いろいろな目的別にはじめる、自分に合った「大人の学び」を大特集。時間がない、お金がないと言っていないで、興味をもったら今から学んでみよう!
※費用・期間は目安。学校により異なるので確認を
[読者アンケート] 隣の「デキル人」は、どう学ぶ?
「デキル人」が言う「難しいこと何もしてないよ~」は謙遜というもの。勤勉で向上心あふれるアヴァンティ読者は「お金をかけたい項目」で「キャリアアップ」が堂々の第二位! でも、みんな何にどれくらい時間やお金をかけているの? 自分は遅れをとってない?雇用も経済も先行き不安定な今、自分の能力が頼れる資本。みんなの学びを参考に、今年は自分磨きに余念なく取り組もう!
n=62 調査期間:2014年1月24日~2月10日【avanti働く女性研究所調べ】
「キャリアアップにお金をかけたい」と考えていながら、半数が月5,000円未満しか学習にお金をまわせていない。「やりたい」と思いつつ、始めの第一歩は難しいもの。つまり、一歩踏み出せば周囲と一気に差がつくはず!
意外にも、人気の「語学」より「スポーツ」が選ばれている。「仕事も勉強も、まずは健康な心と体があってこそ」と聡明なアヴァンティ読者は考えている様子。3位には「ビジネススキル」を抑えて「和の習い事」がランクイン!
「語学」と「ビジネススキル」が「これからやりたい習い事」では群を抜く人気。キャリアアップにはかかせない知識だ。惜しくも4位の「心理」は、社内・社外環境の向上を目指してのことかも?
自分の稼いだお金を投資して働きながら取得する資格は、やはり実用性が必須。社会人であれば誰でも役立つ知識が得られるものが人気だ。
学習者の満足度が1番高い習い事「和のお稽古」は要チェック。語学の知識だけでなく、それを使って語れる「和の心」があれば、社会人としてもレベルがグッと上がりそう。
1~2年、100~300万円の貯金で考える人が多い、留学や大学院などでの「学びなおし」。苦労をかってでる覚悟を決めた「大人の学び」こそ、手に入る成果は大きい。アヴァンティ読者の「学び」を実行した例も紹介。
※費用・期間はすべて目安。学校により異なるので、事前に確認を。
年齢層は様々・大学院
ビジネススキルを学びたい人が取得を目指すMBA(経済学修士)。全日制か夜間・通信か、旧国立か私立か、国内か海外か・・・同じ2年制でも約100~400万円とばらつきがあり。しかし高額となる海外MBAでは、世界的人脈や幅広い知識とキャリア、語学力向上など得られるものも多い。それぞれのメリット・デメリットを把握したスクール選びが必要だ。そのほか、「生涯学習」として、大人になった今こそ大学の授業が面白いからと人生に刺激を求めて学ぶ人も。
■費用・期間の目安
●海外MBA留学/平均2,000万円~ (学費+生活費/2年間)●国内通学型MBA/平均250~400万円 (学費のみ/2年制の場合)●大学院(社会人入学)国立3年約200万円 私立は学科・大学により様々、国立より学費が安い場合も。
ヒロさん(63歳):市役所 → 勤務の傍ら50代で大学院へ博士号取得 → 62歳より大学臨時講師など/「50代の研究は本当に大変でしたが、刺激も多かった。学んだ知識を活かして、定年後の今も仕事をいただいています」
「働きながら学んで 本当に良かった」(吉水請子さん)
大学院で学んでMBA取得
会社勤めが35歳からと他の人よりも遅かったので、その間に失った時間を取り戻したい気持ちが強くありました。MBAを選んだ理由は、仕事に直結していることと、マーケティングや人材マネジメント、ファイナンスなど、仕事をする上でのあらゆるカテゴリを体系的に学ぶので、これだけ学べたら、まあまあイケてるビジネスウーマンになれるのではと思ったからです。
働きながら学んでいて良かったのは、日頃会社で抱える課題解決のヒントが学びの場にあったこと。大抵の課題はどこの会社にも同じようにあることが分かったし、解決事例もアカデミックに整理されたものを学べるんです。とてもいい学問と実践の循環でした。在学中に思いがけなく昇進があり、全く経験のない部署へ配属となって始めは苦戦しましたが、そんな時期だからこそビジネススクールに通っていて良かった! と思いました。今でも本当に感謝しています。
仕事と両立しながらの勉強は時に大変なこともありますが、私は仕事と学びが良い切り替えになり、学校に行くのは本当に楽しかったです。やればできるんだ、という自信もつきました。学んでみたい、という気持ちがあるなら、まず飛び込んでみることをおすすめします。
思い切って・海外
大学へ1~2年通ったり、ホームステイをしたり・・・大学や国によって学費や生活費はさまざま。30歳までならワーキングホリデーで1~2年働くという方法を使えば費用がグッと抑えられる。目的意識を持ち、無給でインターンシップや住み込みボランティアに行く人も。自分で学校を調べて渡航・入学・滞在先・保険等、自力手配する学生もいるが、手続きのプロである留学エージェントにまかせることもできるから、無料の資料請求や説明会でサポート内容&料金を比較しておこう。
■費用・期間の目安
●大学留学/学費+滞在費:約300~350万円(米・1年)●ワーキングホリデー/約100万円~350万円(1~2年)
■ボランティア例
独立行政法人 国際協力機構(JICA/ジャイカ)への応募や、特定非営利活動法人 NICE(ナイス)、一般社団法人ボランティアプラットフォーム(ぼらぷら)など
Tさん(36歳):営業事務 → 28歳でイタリアへ2年留学 → 帰国後は輸入関係企業などに勤務(個人輸入による雑貨サイト立上げ準備中)/「自分らしく生きるヒントを探してきました。自分は自分。国や社会にとらわれすぎない、マイペースな考え方を学んだ気がします」
「“学び”に注いだ 努力や苦労は、絶対に ムダにならない」(ミカさん)
営業→26歳から米大学院へ(4年)→米大学講師を経て32歳よりIT企業勤務
大学時代1年間の米留学を経験した後、「いつかまた行きたい」という思いがありました。改めて学ぶなら「おもしろい!」と思うことをしたいと、未知の分野でしたがグラフィックデザインを中心に4年間しっかり学びなおし。日本語を教えながら研究をしていた頃もあり、体力的には本当に辛い場面も。だからこそ、助けてくれたホストマザーや学友など、国も年齢も全く違う、一生大切にしたい友達ができました。今は、留学経験で得た技術・知識と人脈、精神的タフネスを武器に、アプリや社内システム開発などの業務に携わり、各地を飛び回る日々です。
一気にプロへ・職業専門学校
現役で活躍するプロの講師陣から短期間集中で現場の知識・技術を学べるほか、学校による就活バックアップが期待できるのも魅力。約半数が社会人入学という学校も。学べる知識は様々で、美容、ファッション、ブライダル、医療福祉、ビジネス、製菓、観光、デザインなど多岐にわたる。「釣り専門」や博多織職人を目指すなど、ユニークな学校も。
■費用・期間の目安
学習期間は約2~3年。夜間で働きながら通えるものもある。学費は約100~300万円(約100万円/年)。1日講座や半年~1年など、期間も学費も様々に用意がある学校もあり。
リナさん(31歳):印刷会社編集 → 25歳で専門学校・WEB(半年) → 26歳からWEB制作会社「ずっと気になっていたウェブ業界を目指して退職。学校では同じ方向の目標を持つ友人にもたくさん出会いました。今は勉強したことを活かして、忙しく&楽しく働いています!」
「やらないで 後悔するより、できる ことから前進」(リョウさん)
法律事務所勤務→28歳より専門学校(1年)→製菓店勤務/WEB業務担当
法律事務所に勤務していた頃「このままでいいのかな」という思いが強くなり、ずっと興味があったイラストや絵作りを学ぼうと決意。28歳で入学しました。周りは自分より若い学生ばかりで不安もありましたが、やりたい勉強だったから楽しかった!WEBデザインの作品集を見ていただいた企業とのご縁があり、今はサイトデザインの提案やDM作成など、紙とWEBの違いを考えながら業務しています。夫と協力し合ってプライベートとの両立も順調。悩みをかかえつつも一歩一歩できることをすれば、きっと道は開けます。