国の重要文化財で来年夏の世界遺産登録を目指している「黒島天主堂」
佐世保の相浦港からフェリーで50分。長崎県北部の北松浦半島西沖合にある佐世保市の離島の黒島。江戸幕府の迫害を逃れてきたキリシタンが移り住み、明治に入り禁教令が解かれるまでの間、密かに信仰を守り続けてきた人々の子孫が暮らしており、島民の約8割がカトリック信徒だそうです。昭和23年のピーク時には2233名だった島民も今は438名で8割は漁業を生業にしていると聞きました。
国の重要文化財で来年夏の世界遺産登録を目指している「黒島天主堂」を始め、みどころいっぱい。
都会の喧騒からひととき離れて、この島の風景と人々に触れ合ってみて!
佐世保の相浦港からフェリーで出発


断崖のみえる蕨(わらべ)展望所
断崖と海と空のコントラストが絶景!


カトリック共同墓地
信徒たちが眠る広い墓地にはカトリックならではの墓石がずらりと並ぶ。今でも土葬が行われているそう。奥の方へ進むと黒島天主堂の建築の中心となったフランス人マルマン神父のお墓や代々の神父のお墓もあり、この地の信仰の歴史を肌で感じます。


マルマン神父のお墓の前で語るツアーガイドの大村さん
信仰復活の地
禁教令が解かれる前年の1872年に初めてミサが行われた場所(出口家)で記念碑が建てられている。

島めし
喜久屋旅館さんでいただいた島めし。このボリュームでなんと1,500円!メインの鯛の塩炊きにみなさんの質問が集中。漁師料理で、漁に出て調味料がないときに獲った魚を海水で炊いて調理していたそう。塩だけでこんなに美味しいなんてびっくり!

アコウの巨木
樹齢約120年といわれるこの巨木は周りの木々を巻き込んで成長していくため「締め殺しの木」とも呼ばれている。なんだか絵本やジブリアニメに出てきそうな雰囲気。

黒島天主堂
「こんな離島にこんな教会が!!」と驚くほど美しい。禁教令が解かれ、フランスから宣教師マルマン神父が来島。自分たちの教会を欲していたカトリック信徒と教会を建設した。建設費を捻出し労働奉仕をし建てたこの教会は外観内観とも細やかで美しい細工が施されている。窓にはステンドグラス、祭壇には有田焼きのタイルが敷き詰められているのも美しいが、一番驚いたのは天井一面に使われている天井板の木目は全て手書きだということ!貧しい島でこれだけの教会を建設するため、信者の方々がどれだけ努力をしたのかがわかるものでした。
黒島天主堂は来年2018年春以降から30ヶ月の耐震工事が予定されているので、行くなら今ですよ!
※教会内部は写真撮影NGのため写真が載せられないのが残念。


ふくれ饅頭作り体験
島では冠婚葬祭のとき、各家庭でふくれ饅頭と島豆腐を作るそう。今回はその饅頭作りを体験しました。




ツアーガイドの大村さん
ツアーガイドの大村さん。生まれも育ちも黒島で長年漁師をしていたというカトリック信徒です。島の歴史や文化についてご自身の経験を交えながら説明をしてくださいました。「今日は天気がよくてツアー日和ですね。雨が降ったりするとマイクからの声が聞こえづらくて大変なんですよ(笑)」「外国人のお客さんで日本語をまったく話せない方が来ることがあってね。あわてて中学校の英語の先生に通訳を頼んだりしてね」とツアーガイドならではの話や「この道を昔は学校まで裸足で行ってたんですよ。でも竹馬で一回も降りずに学校まで行けたら先生が鉛筆を一本くれるって約束してくれてね」など地元ならではのを聞くにつれ、最後にはこのツアーの参加者みんなが大村さんのファンになりました!
黒島に行くのもツアーガイドさん付きの旅をするのも初めての経験でしたが、その土地に直接触れることができた気がします。初めてだけどなんだか親戚のところに遊びに行ったときみたいな気分になったのは、黒島の風景やそこに住む方の人柄に癒されたせいでしょうか。
来年、世界遺産に登録されたら、たくさん観光客が来るのでしょうね。
ガイドさんの語りを聞きながら、のんびりした時間を過ごしてみませんか?
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黒島観光協会HP