働く女性研究所

久野 和代さん/自分で手にした経験と知識が 次なるステップにつながる

久野 和代さん
九州旅客鉄道株式会社 総務部 法務室 室長
1992年に入社。1995年に法務室に配属。その後様々な部署と、法務室への配属とを数回経験し、2008年に法務室副室長へ昇進。その後広報室担当課長を経て、2013年より法務室室長。プライベートでは、ピアノ・洋菓子・ゴルフ・ワインの習い事や食べ歩きなど、興味の赴くものには何でもチャレンジする一面も。

自分で手にした経験と知識が 次なるステップにつながる

「法務室」とは、契約書など企業が発行する重要文書の審査、社内外で発生した法律トラブルの対応、新規事業立ち上げ時などに法的な問題がないかの検討、弁護士など専門家への相談など、専門的な知識が必要とされる部署。縁の下の力持ち的存在だが、人事や財務などと同様の中枢部門だ。そんな部署に入社4年目で配属後、約10年間に渡ってキャリアを積んでいる久野和代さん。昨年春からは7名の部下を率いる室長へと昇進した。「抜擢、という感じではなく、目の前の仕事に一生懸命取り組むうちに今の役職になっていた」と振り返るが、配属間もない頃は猛勉強の日々だったそう。

「当時の上司が『聞く前にまず自分で何とかしなさい』という人で。法律の専門知識を一からたたきこみました」。六法全書と専門書をあたり、過去の事例を紐解き、そこから最善の解決策を考える。特に過去の判例が重視される法律の世界、一つひとつの仕事がすべて貴重な経験だった。通常は様々なジャンルの部署へと移り変わっていくのが人事異動の一般コースだが、久野さんの場合は数年おきに必ず法務室へと呼び戻され、副室長、室長へと昇進。彼女が法務室に欠かせない存在であることがうかがえる。

目下の課題は「いかにして後に続く人材を育てるか」。専門性が高く、経験がものをいう部署だけに、部下の育成はあえて〝厳しく〞をモットーにしているという。「下調べや知識が浅いなと思ったら、相談を受けても『自分で調べなさい』と突き放します。ここで自らが積んだ知識と経験が、いつかひとつの自信の糧となったら嬉しい」と語る。「私たちの仕事は、表舞台に出たり、成果が目に見えて分かるものではありませんが、あのとき相談された新規事業の立ち上げが何の問題もなくうまくいったと聞いて、〝何の問題もなかった〞ことが私たちが役に立てた証だと実感します。専門的な部署ならではのやりがいを部下にも感じてもらえたら」。自らの経験を実直に積み重ね、後へと続く道を切り拓く彼女の柔らかな笑顔が、とても印象的だった。

◎私の勝負アイテム…相談を受けるときに必ず使う「法律相談記録」。「ミーティングで報告し合って、一つでも多くの経験を全員で共有できるようにしています」。

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