歩行中に交通事故に遭い怪我をしました。先日、ようやく治療が終わり、加害者側が加入していた保険会社より、賠償額の提案がありました。提案額が妥当なものかどうかが気になります。
交通事故に遭われてお怪我をされたとのこと、大変でしたね。
加害者側から提案された賠償額を検討するにあたり、そもそも、交通事故の賠償額がどのようにして計算されるのかということを知っておかれるとよいと思いますので、まずご説明いたします。
交通事故で怪我をした場合には、一般に以下のような損害が生じ得ます。
・治療費
・入院を要した場合には入院中の雑費(一日当たりの定額で計算することが多いです)
・通院にかかった交通費
・治療のために必要な装具代
・休業損害(事故による怪我のため仕事を休んだことによって収入が下がった場合にその補填)
・入通院を要したことに対する慰謝料
さらに後遺症が残った場合には、上記に加えて、以下が問題となります。
・逸失利益(後遺症によって将来にわたり仕事が制限されて減収になる分の補填)
・後遺症の慰謝料
以上の費目のうち該当するものを合計して全体の賠償額を算定します。
そして、もしあなたに一部について過失(事故を招いた落ち度)がある場合には、過失の程度(過失割合)に応じて、全体の賠償額より相殺されることがあります。これを過失相殺と言います。
賠償額の計算方法やどんな事故態様においてどのような割合で過失相殺されるのかといったことについては、裁判実務において、明確な基準がありますので、その基準に基づいて算定されるべきです。
しかし加害者側の保険会社によっては、裁判実務の基準よりも随分と低額な提案しかなされない場合があります。また見解が対立して交渉がスムーズにいかない場合もあります。
納得がいかないことや疑問に思うことがありましたら、是非、弁護士にご相談下さい。また裁判外の紛争処理手続き(公益財団法人交通事故紛争処理センター等)により、裁判よりも簡単な手続きで早く解決が出来る場合があります。
答えてくれたのは・・・佐木 さくら 先生
京都大学法学部卒。54期。2001年10月から弁護士としてスタートを切る。弁護士として要求される「離婚」を巡る専門知識・技術を磨くと同時に、「結婚」を巡る知識・技術も磨き、今ではその成果を達成し、私生活も充実している。
女性協同法律事務所
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女性協同法律事務所について
「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。