原田 直子 先生
九州大学卒。福岡綜合法律事務所(現あおぞら法律事務所)を経て、1989年に辻本弁護士とともに現事務所を創立。趣味は草取りとパソコンのパズルゲーム。最近は、家族と自分の将来に関心がある。
親子関係不存在確認の訴えを起こす必要があります。
離婚と、出産おめでとうございます。
しかし、ちょっとやっかいです。現在の法律では、離婚後300日内に生まれた子どもは、前婚の夫の子と推定されるので、出生届けを出すと、当然に前の夫の名前が父親欄に記載されます。そうすると、今の彼(本当の子ども父親)は認知することができません。このような場合は、前の夫との間で親子関係不存在確認の訴えをして、前婚の夫が父親でないことを確認したあと、本当の父が認知することになります。
但し、離婚後に妊娠したが、早産のために300日以内に生まれた場合は、医師の証明によって、父親の推定が働かない取扱いができるようになりましたが、根本的な解決ではありませんね。
通常、夫婦関係が破綻してから実際に離婚するまで相当の期間を要しますから、その間に別の男性の子を妊娠することは、あり得ることです。この規定は、容易に父親が決められるようにという子の利益のために定められたとされていますが、今の時代は、後の夫の子と推定するのが時代にあっているでしょうね。しかし、この改正がなかなか進まず、そのために、出生届を出さない人もいるようです。それこそ、子の福祉に反します。早期の改正が望まれます。
女性協同法律事務所
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「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。