
藤田 大吾さんへ3つの質問
Q.座右の銘は?
A.「心の揺らぎを大切に」。デビュー時にラジオ番組に出演したとき、サプライズでもらった親父からの手紙に書いてあった言葉です。音楽活動でも人生においても支えになっています。
Q.若いミュージシャンに伝えたいことは?
A.カッコいいと思う気持ちや、湧き上がる衝動を大事に!情熱を持って何事にも挑んでほしいですね。
Q.藤田さんにとって音楽とは?
A.いつも身近なところにあって、自然に流れているもの。
情熱を道しるべに地元北九州と東京を音楽でつなぐ。
2年前の6月9日(ロックの日)に北九州で誕生した『株式会社音ノ屋』。メジャーデビュー経験のあるプロが指導するボイストレーニング、新しいイベントの企画運営など、独自の事業を展開している。代表はシンガーソングライターの藤田大吾さん。北九州本社と東京事務所を拠点に、音楽活動に飽くなき情熱を注ぐ。
プロを目指してギター1本で上京
音楽をしていた父親の影響で、中学生の頃からギターを弾き始めた。当時流行りだしたカラオケで歌の楽しさと気持ちよさに目覚め、高校生のときはバンド活動に夢中になった。卒業後はプロを目指して上京。「何のつてもなかったけれど、東京で自分の力を試してみたかった」と真っ直ぐな目で話す。
飲食店やコンビニでアルバイトをしながら、路上ライブを続ける毎日。デビューのきっかけをつかむために、ライブハウスのオーディションを受け、自作のデモテープを送り続けた。専門学校の仲間たちとバンドも組み、音楽中心の生活を送った。「5年目くらいが一番つらかったです。同級生は結婚したり、会社で頑張ったり変化しているのに、自分は先が見えない。このまま芽が出なかったら…とすごく悩みました」。
そんなときに作ったのが「道~to you all〜」。
「自分でもいいと思える楽曲ができたんです。周囲からの評判もよくて、この曲があれば大丈夫だと自信が湧いてきました。自分の曲に救われましたね」。知人の紹介で、音楽事務所や業界とのつながりもでき始め、28歳で念願のメジャーデビューを果たした。
チャンスの場を創り、若手を育てる
175R のギタリストKAZYAさんとは、同じ高校で在学中にバンドを組んでいた。お互いのグループが同時期に活動休止したことをきっかけに、音楽ユニットDrunK!を結成。北九州の音楽イベントに呼ばれる機会が増え、小倉城のゆるキャラ「とらっちゃ」のテーマソングも手掛けた。
「音楽で地元に恩返しがしたい」という想いから、音楽仲間たちと『株式会社音ノ屋』を立ち上げた。事業の4本柱は、音楽制作、イベント企画・運営、ミュージックスクールの運営、若手ミュージシャンの育成。「北九州と東京をダイレクトにつなぐパイプ役を担っていきたい。地元で若手を育成してプロデュースしたり、東京のミュージシャンを北九州に呼んだり。音楽で新しい流れをつくって、まちを活性化していきたいです」。
ミュージックスクールは北九州と東京で開催し、多くのミュージシャンを指導してきた。昨年からは、市内のライブハウスと提携してバンドコンテストを開催し、音楽を志す人にチャンスの場を提供している。「事業では何度も壁にぶつかり、日々チャレンジしています。僕個人の目標は、紅白出場と武道館ライブ。どちらも諦めずに挑んでいきます」。経営者として、ミュージシャンとして、藤田さんのチャレンジの道はどこまでも続いていく。
株式会社 音ノ屋 代表取締役 シンガーソングライター
藤田 大吾さん
北九州市出身。小倉南高等学校卒業後、ギター1本抱えて上京。2005年、バイオリニスト佐藤帆乃佳とaluto(アルト)を結成。2007年、シングル「道~to you all〜」でメジャーデビュー。アニメ「NARUTO〜疾風伝〜」のエンディングテーマになる。2010年aluto活動休止。2011年、ギタリストKAZYA(175R)とDrunK!を結成。2014年『株式会社音ノ屋』設立。楽曲提供(関ジャニ∞「I to U」等)、ボイスレッスン、CMソング制作、イベント主催など、北九州と東京を拠点に活動している。