
ママも、仕事も、最初は誰だって完璧じゃない。
つらい経験をバネに、自らの努力で将来の私を確立する。

3つの資格を持つ高橋美紀さんは、子育てにおいてもそのスキルをいかんなく発揮している。「どっちの服を着よう?」「習い事を続ける?」といった、生活する中で起こる「選択」の場面で、「それを選ぶと将来どうなるか?」と一緒に予測し、子ども自身の決断を尊重している。叱るときも必ず「あなたが大事だから、お母さんは言っているんだよ」という声かけを欠かさない。
きちんと向き合い言葉にして伝えているから、母娘の信頼関係は強固に結ばれているようだ。
仕事も子育ても充実、そんな高橋さんだが過去は違った。「なんとなく大学に行って、なんとなく就職して…」。そしてパワハラ、セクハラの被害にあった。「当時は労務の知識もなく、なぜこんな思いをしなければならないのだろう、と途方に暮れました。しかしそれでは何も解決しないと、労働基準法の本を読んだことが資格を取ろうと思ったきっかけでした」。
陣痛室でも試験問題を解き、出産3カ月後に臨んだ試験では不合格。翌年、子育て真っ最中に見事合格した。彼女を駆り立てたもの、それは「あの時の私と同じ気持ちの人を助けたい」という強い思い。現在の彼女は、自らの努力と家族の協力で確立したものだ。身につけた法律知識と経験で、これからも悩みを抱える労働者の問題解決へと導き続ける。
子育てポイント…親子で手作りスイーツ

二人の娘を持つ高橋さんの楽しみは、材料の買い物からデコレーションまで、子どもと一緒にスイーツを作ること。コミュニケーションツールになっているのだとか。写真は子どもの夏休みの自由研究用にまとめたもの。

特定社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント
高橋 美紀さん
会社員時代に、セクハラ・パワハラを受けたことをきっかけに社会保険労務士を目指す。結婚・出産を経て平成17年に試験に合格。労働基準監督署勤務(非常勤)を経て、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を取得し、働く女性に寄り添い活躍している。
[家族profile]夫:45歳 長女:12歳 次女:9歳