カルチャーファイル

もうすぐ七夕!今月は星の話を聞いてきました。

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星空案内人(R)(通称:星のソムリエ)とは、おいしいワインを選んでくれるソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれる夜空の案内人。7月のカルチャーは、星のソムリエ「北九州シリウス会」のみなさんと主宰の平井正則教授から聞いた、夏の夜空がちょっと楽しくなる、星にまつわる話をお届け。

そもそも星座って何?

オリオン座や北斗七星は見つけられても、点在する小さな星をつなげるのは難しい。古代の人は位置すら変わっていく無数の星によくぞ名前をつけたものだ。しかも「獅子が沈んだら蠍が出てくる」など、その星が180度離れていることなどを非常によく観察して星に物語をつけている。星座はギリシャ神話の物語になぞらえて羊飼いが作ったといわれているが、国によって様々な星座があり、現在の88の星座が世界的に統一されたのはつい最近、約90年前のことだ。

日本に住んでいる70%の人は天の川を見たことがない?

七夕の物語にしても、ギリシャやフィンランド、中国など、国によって様々な伝説がある。その物語が日本に入ってきたのは平安時代で、元々はイチャイチャして仕事をしない2人への戒めの物語だった。それが、一年に一度しか会えない織姫と彦星のロマンチックな物語になったのは、日本人独特の感性によるものかもしれない。古来より人は七夕の星雲に様々な思いを巡らせていたが、昨今は街の明かりで、天の川を見つけることも難しくなっている。

岡垣町が星の名前に!

今年4月、福岡県遠賀郡の「岡垣町(おかがきまち)」が小惑星の名前になったと世界的に報じられた。岡垣町は、緯度が34度の特別な場所でしか見られない「北斗の水くみ」が見られる世界的にも珍しい海岸のある町。これは北斗七星の柄杓が水平線をすくうように、ゆっくりと弧を描く3時間ほどの天体ショーのこと。ここまで美しく観測できる場所は世界でも珍しく、発見者の渡辺和郎さんはこの土地の名を永遠に残そうと「岡垣町」と命名した。

星空が美しいフィジーに住むある人は、「星なんて見たことない」と言っていたが、そこにある価値に気付かないなんて贅沢な話だ。何千年も前から先人も見上げてきた星空。国によって星に見るものが違い、場所によって見える現象も違う。そう思うと、いつも見上げている星空もちょっと楽しくなる。


※星のソムリエ…「星空案内人(R)」資格認定試験に合格した人だけが名乗ることができる。天文学の基礎知識や天体望遠鏡による観測の技能、暦やギリシャ神話など星座の物語に関する知識まで幅広く履修する必要がある。現在、福岡県内で約70人が取得。

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平井 正則 教授

福岡教育大学名誉教授・理学博士・日本暦学会会長・国際文化校友会理事・月光天文台名誉台長。「北斗の水くみ」の名付け親で、星に「岡垣町」と命名した渡辺和郎氏との縁も深い。

 

img1707_culture2星のソムリエ「北九州シリウス会」のみなさん
(左から時計回りに二野瀬さん田添さん嶋田さん楠田さん星野さん大庭さん
北九州市で活動する星のソムリエのみなさん。児童文化科学館や皿倉山の観望会、病院のデイケアで星やギリシャ神話のお話会などの活動をしている。

 

\星のソムリエとここで会える/

img1707_culture4皿倉山天体観測会
皿倉山頂で望遠鏡を覗きながら天体観測。
初めてみる木星や月の姿、土星の輪に歓声があがる。
日時/2017年8月11日(金・祝)19:30~20:30
場所/北九州市八幡東区尾倉(皿倉山山頂付近)
TEL 093-671-4761

img1707_culture5九州・山口星まつりin OKAGAKI
「北斗の水くみ」観望のほか、小学生から天体ファンまで楽しめる天体イベント盛りだくさん。
日時/2017年10月7日(土)13:00~21:00
場所/遠賀郡岡垣町大字原670-34
TEL 093-281-5050
WEB http://okagaki-kankou.com/
7、8月は「北斗の水くみ」を深夜に見ることができ、岡垣町観光ステーション北斗七星では7、8、9月と観望会を行う予定。詳細は問合せを
>>「九州・山口星まつりin OKAGAKI」のチラシはこちらから

img1707_culture6new星の観望の夕べ
北九州市児童文化科学館にて、プラネタリウムで星空解説のあと、天体望遠鏡で星空を眺める。
日時/7月・8月毎週土曜(※2017年7月8日、15日を除く)19:30~21:00
住所/北九州市八幡東区桃園3-1-5
TEL 093-671-4566
WEB http://www.city.kitakyushu.lg.jp/ko-katei/11800199.html

天体望遠鏡で楽しむ星空の世界

最後に、新日本三大夜景の一つ北九州市の皿倉山の麓で、星のソムリエ星野さんが撮影された写真をご紹介します。街灯の傘など、環境に配慮した街づくりを進めている北九州市では、光害が空に及ぶことが以前に比べ比較的少なくなり、市の中心部にある自宅ベランダからこのような写真が撮れるようになっています。

1.「バラ星雲」

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代表的な冬の星座、オリオン座のベテルギウスとこいぬ座のプロキオンの間、いっかくじゅう座にあり、肉眼では見ることができませんが写真では真紅のバラの花飾り(ロゼット)のように見えることから「バラ星雲」と呼ばれています。
撮影:250mm反射望遠鏡

2.「燃える木」と「馬頭星雲」

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同じくオリオン座の三ツ星の一番左側の星(アルニタク)の横にあり、その形が馬の頭によく似ていることよりこの暗黒星雲を「馬頭星雲」と呼んでいます。また同じアルニタクの下には少しオレンジ色がかった星雲があります。その姿かたちより「燃える木」と呼ばれています。この星雲は明るいので比較的小さな口径の望遠鏡で撮ることが出来ます。
撮影:76mm屈折望遠鏡

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