ママは可能性が結晶した原石。教育で磨き、活躍の場へと導く。
高橋 政俊さんへ3つの質問
Q.あなたのバイブルは?
A.尊敬する経営者、松下幸之助氏の「道をひらく」ほか著書。漫画なら「サンクチュアリ」「蒼天航路」「キングダム」。
Q.あなたのメンターは?
A.妻です。元同僚で仕事を理解してくれるのと、コーチングの知識を活かして導いてくれるので、何でも包み隠さずに相談できます。
Q.座右の銘は?
A.新しい価値を生み出す「創造的破壊」。埋もれた才能を引き出す「EDUCE」。
高橋政俊さんは20代でデジタルハリウッド株式会社(現デジタルハリウッドSTUDIO福岡、以下デジハリ福岡)に入社後、会社の危機に立ち会い、再建の立役者として活躍した人だ。昨年12月『Web人大賞』で『Web人賞』を受賞。大賞は『ポケモンGO』で世界を席巻した株式会社ナイアンティックの川島優志氏らが受賞しており、受賞者は際立った功績を挙げた人々。
「受賞の知らせを受けた時はビックリした」という高橋さん。なぜなら評価された「ママグロースハッカーズ」は10カ月前に結成したばかり。Web業界未経験のママを「グロースハッカー(企業サイトの改善活動を行う最先端のIT職種)として活躍できるよう教育し、企業から寄せられる仕事をつなぐ」新しいビジネスモデルだが、一期生、二期生合わせて28名のうち、半数以上がすでに在宅ワークで活躍している。
高橋さんがプロジェクト始動したのは、2015年。福岡へ進出したWebサイトのデザイン改善をおこなう企業「カイゼンプラットフォーム」とパートナーシップを結び、ママの仕事を確保したのがきっかけ。在宅での仕事ながら、誰もが知る有名大手企業からの依頼も多く、やりがいは大きい。
ママはデジハリの教育と、子育てで培ったマルチタスク能力や共感力を活かして成長し、在学中から稼ぎ始めるママも少なくない。家で稼ぐママの姿を間近で見る子どもも何だか誇らしくなる…という好循環。こんなふうにママの可能性を見つけ、活躍の場へ導いていく高橋さんの原点は戦後、全財産を失いながら、成功者になった叔母夫婦の姿だそうだ。
「最初は親族の畑からクズ野菜を拾い集めてコロッケを作って売り始めた。そのコロッケが評判になり、次に段ボールメーカーを起業した。当時は木箱だけの時代。段ボールに移行していくと直感してのことです。現在は中・四国最大の段ボールメーカーへ成長。これはゼロからでも知恵を出せばビジネスになるというお手本。埋もれた人材であるママを磨き、ビジネスの場へ導くのも同じこと」。
高橋さんの存在自体がママたちのグロースハッカーそのものだ。
現在「ママグロースハッカー養成講座」三期生を募集している。
TV番組コメンテーターや絵本の読み聞かせ活動のほか、日本マスターズ水泳九州大会で優勝するなど素顔もハイパフォーマー。
デジタルハリウッドSTUDIO福岡 ゼネラルマネージャー(校長)
高橋 政俊さん
1977年香川県生まれ。デジタルハリウッドSTUDIO福岡ゼネラルマネージャー(校長)、株式会社九州インターメディア研究所プロデューサー。デジタルハリウッド福岡校第一期生として卒業後、デジタルハリウッド株式会社へ参画。広報や不採算事業の再建を手掛け、2006年には新規事業として日本初の同期型eラーニングを事業化するなど、数々の新規事業を成功に導き、現在の礎をつくる。2012年デジタルハリウッド福岡校の校長に就任。