アヴァンティ働く女性研究所は先月、「残業」についてのアンケートをしました。
3人に1人は残業をしており、うち3割の人が、繁忙期には50時間以上の残業をしているとの実態が分かりました。休日出勤も、21%の人が「している」との回答でした。今週は、休日出勤の実態を見てみましょう。

会社で定められている公休は、週休2日または月に8~10日休み、という人が8割近くでした。休日出勤をしている2割の人が、月平均でどれだけ休日に出勤したかの内訳を見ると、最多は「1日」の50%。でも「8日以上」と「4日」「2日」が17%に上りました。週休2日にも関わらず毎週8日以上出ている、つまり休みがほとんど取れていない人が6人に1人いるということです。また、週休2日なのに毎週土日のどちらかは出勤していて実質的には週休1日だという人も6人に1人ということです。休日出勤は、しない人はしないで済みますが、している人はかなりの負担になっていることが分かります。
しかも、その休日出勤を会社に申告していない人は25%と、4人に1人に上りました。残業では半数近くがすべてを申告しないと回答したので、それよりはマシですが、「ただ働き」させられていることに変わりはありません。
申告しない人に、ではなぜ申告しないのか、理由を聞いたところ、最多は「裁量労働制(みなし労働)なので申告しないことになっているから」の40%でした。裁量労働制という労働形態が、残業減らしや休日出勤逃れに使われてしまっているかもしれません。
次いで、20%で以下が並びます。「管理職なので休日出勤をつけられないから」、「休日出勤をつけても代休が取れるわけではないから」、「周囲もみなそうだから」、「休日出勤は正直に申告しないのが慣習なので」、「休日出勤することで、人事部に仕事が遅い・無能な人材だと思われるのが嫌なので」。会社の慣習として休日出勤は申告しない、みなもそうだから、という「環境要因」が多そうです。人事部の顔色を見て自己規制している人や、どうせ代休は取れないからと諦めてしまっている人もいるようです。
でも、健康増進法で、社員の健康を守るのは会社の義務、部下の健康管理は上司の責任、と定められています。部下がちゃんと休めないのは、休めないあなたのせいではなく、休ませられない上司の責任です。仕事をうまく回せない上司の管理責任能力の問題です。外資系など、企業によっては、部下が休まないと上司の評価が下がるところもあります。休日は堂々と休み、休めなかった時は働いたことをちゃんと申告しましょう。
「みんながそうだから」の会社文化は、みなが申告するようになれば変わるかもしれません。少なくとも、我慢しているだけでは会社は変わりません。それどころか、限界まで我慢すると、あなたが過労から鬱や病気になってしまうかもしれません。あなたの身を守るのは、あなた自身にしかできないのですから。(この項続く)