働く女性たちの管理職についての意識を聞いたアヴァンティ働く女性研究所のアンケート調査。女性も男性同様に管理職に就くべきだと考える人が増えている一方で、自分が管理職になりたいと思う人は減っていることは誌面で紹介しました。では、女性管理職へのイメージについて、この10年でどう変わったのかを詳しく見てみます。
女性管理職のイメージ、「大変そう」がポイントアップ

まず、10年前のイメージは、率の高い順に、「仕事の能力がある」78%、「かっこよく素敵で憧れる」46%、「大変そう」44%、「かっこよく素敵だが自分とは違う」25%、「厳しく怖い」14%、「結婚ができなさそう」10%、となっていました。
それが今年の調査では、上から順に「仕事の能力がある」80%、「かっこよく素敵で憧れる」「大変そう」がともに49%、「かっこよく素敵だが自分とは違う」24%、「結婚ができなさそう」16%、「厳しく怖い」13%、でした。
ざっと比べて分かる通り、順番はほとんど変わっていません。そんな中、特に率が増えているのは「大変そう」5ポイント、「結婚ができなさそう」6ポイントです。女性管理職が身近な存在になったため、リアルに大変そう、結婚できなさそうと感じている人が増えたのかもしれません。
管理職になるには「自分の意識改革が必要」が4割
また、今年の調査では10年前には聞いてなかった設問、「あなたが管理職になるとしたら、何が必要でしょうか」も聞いてみました。回答で最も高かったのは、「自分の意識改善」40%でした。つまり、自分が管理職になるのに最も必要なことは、自分自身の気持ちが変わること、ということです。続いて、「職場環境や社内既定の改善」38%、「職場の人たちの意識改善」35%、「男性の意識改善」「男性管理職・上司の意識改革」がともに33%、「夫の協力」29%、「育児支援制度(保育施設など)」27%、「社会の意識改革」20%、「女性の意識改善」15%、「法改正」4%となりました。

一方で、誌面でも紹介しましたが、一般論として「女性が管理職になるために必要なこと」では、「男性の意識改善」「女性の意識改善」がともに42%、「職場の人たちの意識改善」40%、「職場環境や社内規定の改善」35%、「社会の意識改革」「男性管理職・上司の意識改革」がともに33%、「育児支援制度」「夫の協力」がともに31%、「法改正」9%、「自分の意識改革」7%、の順番でした。
一般的に足りないと思われているよりも、自分が管理職になるためには、「職場の人たちの意識」の障壁度はマイナス5ポイント、「男性の意識」はマイナス9ポイント、「女性の意識」は27ポイント、「社会の意識」は13ポイントと、ぐっと低くなっています。前述しましたが、自分が管理職になるかどうかは自分次第で、すでに環境は整っており、周囲の男性の意識も社会の意識も、職場の人たちの意識も、どちらかといえば理解があるのでしょう。ただ、一般論と自分の場合で比率が変わらなかったのは「男性管理職・上司の意識改革」33%です。自分自身の意識のほかに唯一、ネックとなるのは男性の管理職や上司だということが分かります。
(文・元沢賀南子執筆)
アヴァンティ働く女性研究所の登録者で独身の女性約2000人にSNS等で呼びかけ、回答を得た。回答期間は10月23日〜11月2日。有効回答数55。回答者は28〜58歳、平均年齢は42歳。
アンケート結果に関するお問合せは、
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