手術後6日間休憩してから 抗がん剤治療がスタートした
シスプラチン(点滴)とTS-1(経口剤)
医師に2種類の抗がん剤はどう違うのか尋ねたら
『シスプラチンはがんを殺して
TS-1はがんの成長を抑える ってとこかな・・・ 』
本当はもっと 詳しく 細かく 深い お薬の話があるんだろうけど
私にはこの簡単で端的な説明で十分だった
そして、どちらの薬も「がん」をやっつけるためには欠かせない! って事
相変わらず食欲もなく 身体はひょろひょろ~ってしていたけれど
がんと戦う気は満々 「気合十分」って感じで
もう 死んじゃうのかなぁ なんて思わなくなっていた
まずは TS-1 を毎日朝晩2週間飲み続けて
TS-1を飲み始めて1週間目の中間の日に
シスプラチンを1回だけ点滴
シスプラチンを点滴した後も、TS-1 が1週間分残っているのでそれを飲み続けて
TS-1も飲み終わったら、その後2週間は休薬
この一通りのスケジュールで約1か月かかる
これを1クールとして6クール行うとのこと
これで6か月かかる
しかし 6ヶ月頑張れば社会復帰できる!!と思い込んでいた私は
想像でしかない副作用の事はなんとか乗り切れる!と
その時は 割と自信があった
病室に薬剤師の先生が「TS-1の服用の手引」を持ってきて
「わからないことや不安な事があったら何でも聞いて下さいね」って
抗がん剤の詳しい説明と様々な副作用のお話など丁寧に説明してくれた
手引には そりゃもうびっくりするような様々な副作用が書いてあって ・・・
副作用の事を案外軽く考えていた私は ちょっと不安になって緊張してきたけど
まあ なんとかなる!だろう と思った
どこの病院もそうなのだろうか?
本当にこの病院の医師や看護師、そして薬剤師の方々は すごく患者の立場で考えてくれる
そして関西気質なのか いつもとても明るくて ――― それに私には関西弁が心地よかった
私はそんな病院の雰囲気のお陰で 辛い闘病生活がどれだけ救われたかわからない
この病院内の文化・風土は 私を前向きにさせてくれたひとつの要因でもあると思う
いよいよTS-1スタート
その副作用はすぐにあらわれた
最初は様々な匂いが私を苦しめ 病室に居られなくなった
特に食事の時間なんか最悪だった
私は食べなくても 同部屋の人達のごはんの匂いがたまらなくて 息もするのも嫌になった
匂いだけでなく みんなが食べていることを想像するだけでも イライラして
そんな中に居させられていることが 拷問のように感じてきた
おまけに次は吐き気が襲ってきた それも絶え間なく嫌な感じの吐き気が続く
そんな状況に たった2日で根をあげてしまい
看護師長さんに「我慢できないので 個室に替えてください」とお願いした
個室は一杯だったので 替わるのに2日もかかった
たった2日なのに その時の私にとっては 2日も だった
それくらい 辛かった ・・・
本当に副作用の事を甘く考えていた
人間 経験のない事は軽く考えるもんだと 改めて思い知らされた
だって、今まで飲んでいた薬は その症状を和らげて楽になるという経験しかなかったから
薬を飲んで具合が悪くなるなんて それもこんなにも嫌な思いをさせられるなんて
考えられなかったのだ
それでもそれはまだまだ序の口で
まだまだ ものすご~い苦しみが 私を待っていた。。。
☆いっこ☆