今回のコラムでは、身近な金融トラブルについて、考えてみましょう。
様々な決済手段
買い物などをした時には、現金での支払い以外にも、各種カードなど様々な決済手段があります。
これらの決済手段は、現金での支払いと比べ、お金が見えにくくなっており、気が付かないうちに使いすぎてしまうなどトラブルが生じることもあります。
今回は、様々なカードの中で、特に利用の多いクレジットカードに関する金融トラブルについてご説明します。
※ 一般社団法人日本クレジット協会の調査結果によると、平成 29年3月末にはクレジットカード発行枚数 (調査回答社260社)は、2億 7,201万枚となっています。
クレジットカード払いは「借金」です。
クレジットとは、ショッピングなどの代金をカード会社に立て替えてもらうことです。利用者は、カード会社に、立て替えてもらった代金を借りていること(借金)になりますので、返済をしなければなりません。
クレジットカードの返済方法
クレジットカードの返済方法にはさまざまなものがあります。
主な返済方法は下表のとおりです。
リボルビング払い(リボ払い)
上の表の「リボルビング払い」(リボ払い)について、ご説明します。
リボ払いは、毎月の返済額(元本返済額と手数料額の合計)があらかじめ定められています。
※ 返済残高に応じて、毎月の返済額が増減する「残高スライド方式」もあります。(例:「返済残高」が10万円以下では毎月の支払いは1万円、10万円を超えて20万円以下ならば2万円など)
〈リボ払いのメリット〉
リボ払いは、毎月の支払額を一定にすることが出来るので計画的な利用が可能となります。
〈リボ払いのデメリット〉
毎月の支払額が比較的少額で済むため、当初は返済負担が実感できず、安易にクレジット等を繰り返し、気がつけば返しきれない借金をしていたというケースがあります。
また、返済残高がある限り支払いは続き、残高に応じて金利がかかるため、知らないうちに全体の返済額が増えているケースもあります。
リボ払いを選択するときは、仕組みや利用方法をしっかりと理解したうえで利用する必要があります。
返済が遅延したらどうなるの?
返済期限を過ぎてもお金を返さない遅延状態が一定期間続くと「指定信用情報機関」※などに延滞情報が登録されます。
新たなクレジットカードの作成や住宅ローンなどを借りる際には、金融機関等は、信用情報機関から取得した信用情報を参考に、クレジットやローンなどのサービスの提供の可否を判断します。そのため、新たなクレジットカードが作成できない、ローンが組めない、などの支障がでる可能性があります。
※ 指定信用情報機関は、消費者のクレジットおよび消費者ローンに関する信用情報(個人の属性・契約内容・支払状況・残債額など)を加盟会員であるクレジット会社などから収集し、それらクレジット会社からの照会に応じて情報を提供しています。
その他にもこんなトラブルが
その他にも、紛失や盗難、スキミング(カードの裏面にある磁気テープに記録されている情報を、カード情報読み取り装置などで盗み取ります。)やフィッシング詐欺(クレジットカード会社などを装い、「不正使用防止のため、お客様のクレジットカード番号、有効期限、暗証番号を登録してください」というような内容のメールを送りつけ、個人情報を不正に取得し、詐欺行為を働きます。)による不正利用のトラブルが起こっています。
明細書のチェックなどが大事
支払いのトラブルや不正利用のトラブルを防止するためには、利用する前に、利用した分のお金を返すあてはあるのか、本当に必要な支出なのかよく考えましょう。
また、明細書はすぐに確認し、利用総額や月々の返済額をしっかりチェックすることが重要です。不審な決済などがあればすぐに金融機関に確認する、カード番号や暗証番号などを安易に教えない(入力しない)、といった対策が必要です。
クレジットカードはとても便利ですが、トラブルが潜んでいます。賢く使いましょう!
※文中、意見に関する部分は担当者の私見です。
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