香港での女性の活躍の理由は?

少し前まで、日本では専業主婦が当たり前でした。父親は外で働き家族を支え、母親は家の中を守る・・・昨今の日本ではそんな考えが変わりつつあります。とは言っても、まだまだ世界的に見てみると、日本では専業主婦を多くみかけます。
香港では、驚くことに「専業主婦」という言葉はほとんど聞きません。女性も男性と同じく働く機会があり、組織の中でも男女の差別はありません。権限も持ち、男性並みに働き稼ぐ姿は良く目にします。他社との商談や国際会議でも、女性の姿は多く、男性顔負けの仕事っぷりの女性役員も多数います。
世界的に見ても高い物価水準
なぜ、香港では女性が当たり前のように働くのでしょうか?その背景には、高い家賃と高水準の生活があります。

香港の家賃は世界でも非常に高いことで有名で、昨年発表された世界の家賃ランキングではSan Francisco、NYに次ぎ、第3位にランクインしました。一人暮らし用の部屋で平均1292.46ポンド(約16万6000円)だそうです。(※1)
ちなみに日本のランキングは、東京が15位で、一人暮らし用の部屋で平均787.8ポンド(約11万9000円)という調査結果でした。香港の大卒初任給は平均月収で12,125HKD(約18万円)ですので、夫婦2人で仕事をしないと生活していけません。
では、物価はどうでしょうか?2017年の物価が高い都市ランキングによると香港は世界第2位です。(※2)
お粥一つを例にとっても、500円くらいしますし、ちょっとしたレストランに行けば、3000円もするものもあります。
生きていくうえで大切な衣・食・住のうち主要な2つが世界的にみても高い水準にあるので、生活のためには、女性も自立して働かないといけないのです。こうしたことから、男女ともに存在を認め合い、家庭でも仕事でも同じ目線でいられるということは、逆に素晴らしいと言えるかもしれないですね。
投資に意欲的な国民性
香港に住む人たちは、高い家賃や生活水準を維持するために投資もしています。個人的な実感としては、日本では考えられないくらい投資に対してオープンな環境です。電車に乗ると、携帯電話を触っている人のうち、かなり高い割合で株式相場をアプリでチェックしている人がいます。

香港で読むことができる、あるメジャーな新聞がありますが、そのWeb版にとても興味深い記事があったのでご紹介します。
「香港女性の7割以上が投資に意欲的であり、男性よりも優れた結果を出している」というのです。それはなぜでしょうか?
香港の投資環境は流動性でも規制面でも優れているのが一つの理由です。加えて、女性は、忍耐強く、長期的な視点で考えることができる、という特性があり、それが投資でも成功する理由になっているとのことです。
長期投資は、投資理論でも、有効性が認められています。特に、長期の投資期間で、分散投資をすると、増える可能性が高まります。日本でも、以前に比べると投資をすることへの意欲や投資人口も増えてきていますが、投資について調べたり、勉強するだけにとどまらず、女性の性質をうまく活用して投資を始めてみてはどうでしょうか。
参考文献
※1 BUSINESS INSIDER UK(最終閲覧日2019年2月21日)
The 19 most expensive cities in the world to rent a propertyより
http://uk.businessinsider.com/most-expensive-cities-in-the-world-to-ren-2017-2/#4-dubai-uae-16
※2 Mercer(最終閲覧日2019年2月21日)
Cost of Living City Ranking>2018 Cost of Living Rankingより
https://mobilityexchange.mercer.com/Insights/cost-of-living-rankings