3月28日に平成30年度の国の予算が成立しました。
今回は、私たちの国、日本のおサイフ事情 = 財政についてお話ししたいと思います。
“財政”と言われても、何だか遠い話のようでピンとこない・・・そう感じる方が多いのではないでしょうか?
でも、この“財政”、これまでご紹介してきた医療・社会保障・教育・・・といった私たちの暮らしにとって身近なものと、切っても切り離せない関係にあるんです!
国の「支出」=「歳出」
まず、国の一年間の支出である歳出について見てみましょう。
歳出総額は、97.7兆円です。
一番大きな割合を占めているのが、前回のコラムでもご紹介した医療・介護・年金などの社会保障費で、全体の約34%を占めています。次に多いのが、国の借金返済分にあたる国債費で、全体の約24%。次が地方公共団体への地方交付税交付金で、約16%を占めています。
国の「収入」=「歳入」
次に、国の一年間の収入である歳入について見てみましょう。
国の歳入は、いろいろな税金として集められていますが、これだけでは足りないため、不足分を新たな借金である国債を発行することで補っています。その額は平成30年度で約34兆円。実に歳入の約3分の1を借金で補っていることになります。
平成30年度予算について、詳しくはこちらをご覧ください。(財務省HP)
増え続ける借金残高
特に平成に入ってからは、歳入と歳出のバランスが崩れたままの状態が続いてきました。こうして借金を続けてきた結果、残高は増え続け、平成29年度末時点の国の借金残高は865兆円に達する見込みとなっています。これを国民一人当たりに換算すると、実に688万円にもなるのです。
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(出典)財務省「日本の「財政」を考えよう(平成29年4月)」
借金が増えた原因は?
前回の「超高齢化社会到来!私たちの老後はどうなる?」のコラムでもご説明しましたが、財政赤字が続き借金が増えた最も大きな要因は、少子高齢化に伴う医療・介護・年金など「社会保障費」の急速な増大です。この状況は今後も続くことが予想されており、税収など歳入を増やすか、社会保障や公共サービスの内容を見直して歳出を減らすか、いずれかを選択してバランスをとらなければ、将来、今受けている社会保障制度が持続できないかもという状況になっているのです。
2018年度の財政状況を1991年度と比較すると、歳出においては公共事業や教育などの経費は横ばいになっているのに対して社会保障費が大きく伸びており、歳入においては借金である公債金が約6倍に増加しています。
私たちの将来のために・・・まずは知ることから!
前回のコラム最後にも伝えましたが、これを解決するために、政府は社会保障と税の一体改革を進めています。消費税率を10%に引き上げ、増収分を社会保障費の財源にすることで、不足している社会保障の財源をカバーし、将来世代への負担となる借金を抑制しようというものです。
私たちが安心して暮らすための公共サービスを受けるには、財源が必要です。その財源が不足する状況を続けてきた結果が、いまの日本の多額の借金となっています。
財政や国の制度の問題は、一部の政治家が決めること・・・と思うかもしれませんが、その政治家を選ぶのは私たち。
私たちの将来の安心や、子供たち将来世代にツケを残さないために、まずは現状を知り、他人ごとではなく、将来の日本の姿を自分たちの意思で選択していきましょう!
(注)文中、意見に関する部分は担当者の私見です。
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