アメリカに来て、日本とは感覚が違うんだなあと思うことの一つに、体のお手入れというのがある。どちらが好みかは読者の判断に任せるが、アメリカ人にアピールしたいなら、以下に沿っておくと受け入れられやすい。
まずはムダ毛。オリンピックの体操競技をアメリカ人と見るときはちょっと居心地が悪い。日本人男子選手が演技を終えて両手を空に上げたとき、大抵のお茶の間ではどよめきが起こるのだ。
「わお! なぜ、ボーボーなの!?」。日本人は意外に気付かないポイントだが、アメリカ人の体操選手は男子も脇がつるつるだ。
気を付けて見てみると、私が確認した限りでは、他のアジアの国も含め、どの国の選手も脇毛を剃っている、もしくは短く切っていた。アメリカでは一般男性も同じようにしている。ちなみに下の毛も同様。
なので自然体のままでいると、私たち日本人が脇毛ボーボーの女性を見たときのような、驚きを持たれることになる。
次はご存知の方も多い、歯のこと。アメリカ人は歯の美しさを非常に重視している。
移住したころは「歯なんて」と思っていたが、次第に、ニコッと笑ったときに見える歯が白くかつきれいに並んでいると、特にお年寄りの場合は非常に若く、清潔に見えることに気が付いた。異常に白くする必要はないが、効果的な若返り術の一つとして、個人的にはお勧めしたい。
また体の作り方は、女性は女性らしく、男性は男性らしく、というのが基本。
日本では男子は細マッチョが人気かもしれないが、アメリカ人から見ると餓死寸前。最近、Netflixなどでアジアのチャンネルも増えてきているが、この点で一部アメリカ人女性を夢中にさせているのが韓国の俳優だ。
体をしっかりと作っている色気たっぷりの韓国人俳優と、ガリガリの草食系日本人俳優を比べると日本人が貧相に見えるので、日本のエンターテイメント進出を真剣に願う私としては非常に残念!
また、女性の体で注目されるのは胸よりむしろお尻。ブラジル人のような丸く立体的なお尻が好まれる模様で、パット付き下着も人気がある。
そして最後に、これは体のお手入れではないが、とても大切なのは「堂々とした態度」だ。
アメリカではシャイ、かわいいキャラは子どものみ許される。大人がしていたら「変な人」になってしまうので注意が必要。大人の女性は高い声の甘えた口調で話すよりも、低い声で堂々と話すのが良い。
甘え口調が似合わない年になった私には、大人嗜好のアメリカ式が気に入っている。しかし一方で、幼い頃から身に付けたテヘヘ笑いなどは直せるはずもなく、気に入っているが、うまく振舞えないポイントでもある。
猪股るー
元アヴァンティ副編集長。2016年にロサンゼルスにて広告・翻訳プロダクション「Ru-Communications LLC」を起業し、雑誌や広告を専門とするキャッチーな日英翻訳、日英広告制作などを行っている。著書に『愛する日本の孫たちへ』(桜の花出版)、韓国で出版された『チョルムン イルボノロ マルハジャ』(サラミン出版)などがある。
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