知人に性交渉を求められ、拒否しようとしたら殴られて強姦されました。ショックで、これからどうしたらいいかがわかりません。
郷田 真樹 先生
愛媛県出身。愛媛大学法文学部卒業、九州大学大学院法学府修士課程修了(基礎法学)。民間企業勤務を経て、2000年から当事務所に入所。53期。
女性の権利に関する問題、医療過誤(患者側)、労働問題(労働者側)、薬害C型肝炎訴訟に主に関わってきた。仕事を通じて、「どんな時でも、どんな人でも、ふたたび歩き始める力がある」という思いを強くしている。最近のお気に入りは、福岡ハカセの『動的平衡』。
被害にあった直後であれば、110番をして貴女の安全を確保し、一刻も早く医療機関を受診してください。少し落ち着いてから、医師のサポートを受けたり、弁護士や警察等と加害者にどう対応するかも考えることができます。
本当に大変でしたね。
被害にあった直後であれば、110番をして貴女の安全を確保してください。110番をしても、貴女の気持ちを無視して勝手に刑事事件にされたり、マスコミ報道がされたりはしません。
また、一刻も早く医療機関を受診してください。ケガの治療、緊急避妊処置、性感染症の検査・治療などが受けられます。警察相談後であれば、警察官の付添いや、診察料などの公費支出を受けられる場合もあります。
時間がたつにつれ、気持ちが変化をすることはよくありますから、今どう思っているかに関係なく、病院や警察で証拠を保存されることをお勧めします。
たとえば、衣類や体に付着した体液・体毛などは加害者を特定するための重要証拠ですから、辛くても、シャワーを浴びず、着衣も捨てずに相談・受診をしてください。加害者からの電話やメールも消さずに保存しましょう。
少し落ち着かれたら、心身への医師のサポートを受けたり、弁護士や警察等と、加害者に対する責任追及をするかどうかを考えたりすることもできます。
これらについては、強姦罪の告訴(警察等へ正式に加害者の刑事処罰を求める手続き。被害届けの受理とは異なります。)期間の制限も撤廃されていますので、ゆっくりと考えることもできます。もっとも実際には、時間がたつほどに証拠の散逸・記憶の混乱などから、希望する手続きをとりにくくなる心配がありますので、できるだけ早めに検討をされるほうが安心です。
弁護士に相談・依頼をする費用がない場合には、各種の援助制度がありますので、各弁護士や弁護士会などにご相談ください。
悪いのは貴女ではありませんし、貴女は一人ではありません。貴女につきそい、一緒に考え、歩みたいと思っている専門家はたくさんいますから、辛い気持ちでいっぱいになっても、勇気をもって誰かに連絡をしてみてください。
女性協同法律事務所
福岡市中央区天神2-14-8 福岡天神センタービル4階
TEL 092-751-8222
http://www.josei-kyodo.jp/
「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。