インタビュー

宮﨑 弥生さん/“お客様をハッピーに”が 商品開発の原動力

宮﨑弥生さんが「私たちの宝物」と出してきたのは、感謝の言葉や感想・意見がびっしり書き込んである2000通もの直筆のユーザーの声。カツラ業界で一番多く “声” が集まっているのではないかという。『ウィズアルファ』の商品開発はいつもこの“声”に触発されてきた。

例えば、医療用カツラの「メディフィット」は「店に行ったその日に持ち帰るカツラがほしい。おでこを出したりもしたい」という声をすくい上げたもの。カツラの土台となる布をカットできるなど現場でカスタマイズできるカツラを開発したことで、オーダーメイド並みの製品がその日に持って帰れるようになった。宮﨑さんは、この製品で特許を取っている。

カツラは2001年に宮﨑さんが偶然出会った商品。提携の美容室を福岡、大阪、東京に置いた。当時はネットショッピングの黎明期。カツラがネットで売れるとは思えなかった。ところが、立ち上げたネットショップで売り始めて1週間後、一件の注文が。「15万円もする商品をネットで買うんだ! と逆に驚きました」。売れた理由は大手メーカーの3分の1程度という価格力。ネット告知だけで広告費を省けたので値段を安くできた。ネットでカツラを販売するビジネスモデルは現在も貫いている。

九州経済産業局よりITを効果的に活用し競争力アップを図った企業に贈られる2008年「九州IT経営力大賞・特別賞」も受賞した。

このビジネスに携わって、円形脱毛症、乳がん、薄毛に苦しむ人々が本当に多いことを知った。脱毛症の幼稚園児もいる。ユーザーのことを考えて価格も据え置き。「お客様は似合うカツラを手に入れることで心が安定する。自信を持って前向きになってほしい。お客様が少しでもハッピーになることをしたい」と宮﨑さん。関わる全ての人が心豊かになるビジネスの極意がここにある。

『株式会社 ウィズアルファ』代表
宮﨑 弥生さん

1966年生まれ。福岡出身。明治学院大学卒。日本移動通信(現KDDI)に5年勤務した後、ユーターンして福岡のプロバイダー会社に1年勤務。祖母がガンになり、看病のため自宅SOHOにてホームページの制作業で1996年独立。しかし、本人いわく「数年間は月商10万円前後で惨めな日々」だったとか。2000年にかつら開発を行う理美容師との出会いを得て、2001年「With」というネットショップ名でかつら販売をスタート。2003年には販売商品をほぼかつらに特化する。全国33カ所の提携理美容室を今後60カ所に増やすべく奔走する。

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▲ 1.理美容師が型を取り、海外工場で人毛100%総手植えのかつらが完成。最後に理美容店でかつらを調整して完了。

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▲ 2.長年顧客の脱毛の症状を見てきて、化学成分を使うヘアケア用品にも原因があると痛感した宮﨑さん。100%天然成分で設計したヘナを2016年6月発売。

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▲ 3.HPの充実に加え、高品質、低価格が同社の強み。機動力を大切にしたいから、会社の規模拡大には拘泥しない。


株式会社 ウィズアルファ
福岡市中央区大名1-2-20 ライオンズ大名1005
http://www.iwig.jp
TEL/092-406-4288

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