『美工房 Merrows ─メロウ─』を立ち上げた時は、6歳の長女を筆頭に3人の子育て真っ最中。主婦業だけでも手いっぱいの時期に木原さおりさんを起業に駆り立てたのは大手化粧品会社の美容部員時代に感じたある思いだった。
「念願叶って就いた仕事でしたが、異動が多かったんですね。私を信用して化粧品を購入してくれたお客様とのご縁が途切れるのが残念で。大好きな美容の仕事を通して、お客様と長く深いお付き合いがしたい。その気持ちをずっと温めていました」。
持ち前の使命感と瞬発力でサロンをオープンし15年。本物の信頼関係を作るという思いが一本のぶれない芯になって、サロン作りを支えてきた。最先端の高額な美容機器を導入するかどうかで迷った時、「私たちが通ってたくさん利用するから」と、クライアントに背中を押されるような形で購入に至ったこともある。こうして長く深くなっていく関係を通して、通う人も着実に美しい変化を実感できるという好循環。10年来通う人や母娘で通う二世代ファンも少なくない。
木原さんは研究心も人一倍、旺盛だ。最初はフェイシャルだけだったが、全身をケアできるようメニューを増やし、同時に素肌の再生力に着目したオリジナル化粧品開発にも取り組んできた。「本当に納得できるものは自分で作るしかないし、作れるんだと気づいて」、歳月をかけて無添加の基礎化粧品シリーズが誕生。1年前には、シリーズの集大成ともいえるエッセンスが完成し、評判は上々だ。
「外見が変わると、表情も明るくなる。そしてお客様にありがとうと感謝されるのが何よりもやりがい」と言う木原さん自身、年齢にはとても見えない素肌美の持ち主。人が美しくなることを自分のこと以上に喜べる、それこそが彼女の素肌、いや生き方を輝かせる心の美容液になっているのだろう。
エステサロン『美工房 メロウ』代表
木原 さおりさん
鹿児島県出身。大手化粧品会社の美容部員として勤務した後、結婚を機に退職。31歳の時、『美工房 Merrows―メロウ―』をオープン。美容部員時代のキャリアを武器に、思い描いてきた理想のサロンづくりがスタートする。以来、クライアントの要望に応える形でエステを中心に幅広いケアメニューを展開。美容成分と無添加にこだわり開発したオリジナル基礎化粧品も反響を呼び、経営の柱となっている。時代の変化に対応した社会貢献型の活動も視野に入れ、要介護者の身だしなみを整える「整容介護」の資格も取得。
▲ 1.サロンでのケアに用いるため、高品質で安全な無添加の材料探しをきっかけに生まれた「メロウBMモイストシリーズ」。化粧品事業部 http://www.merrows-cosme.com/
▲ 2.「メロウ」とはアイルランドの美しい妖精の名だ。都心ではなく、生活圏内の立地もサロンが親しまれる理由
▲ 3.技術も化粧品も納得できるまで追求し続けてしまうという木原さん。
美工房 Merrows ―メロウ―
春日市昇町1-67
http://www.b-merrows.com
TEL/092-581-2354
営/10:00~19:00
休/日曜、祝日