老人ホームに入居させることを考えています。
どのような点を考えて、入居先を選べばいいのでしょうか。
松浦 恭子 先生
修猷館高校、九州大学卒。44期。松坂法律事務所を経て1994年に現事務所に入所。弁護士登録以来、薬害HIV,薬害肝炎事件などの集団訴訟に携わりながら、子どもの権利に関する事件に一貫して関与している。特にセクシュアルハラスメント事件や性被害、DV被害の事件を多数手がける。 趣味は、図書館や美術館巡り、エレクトーンなど。あこがれの山登りや一人旅にも行きたいと考えている。
契約前に、サービス内容や要望や苦情を受け入れるシステムなどを具体的に契約書で確認し、実際にも目で見て確かめましょう。
お母さんに人生の仕上げの時期を安心して暮らして欲しいという願いは切実ですね。お母さんの希望と子どもの希望、それにふところ具合、それぞれの優先順位を付け、現実を踏まえ、誰しも精一杯の選択をする場面です。
「老人ホーム」には種々のものがありますが、「こんなはずではなかった」を避けるために、介護保険サービスとの関係、スタッフのサービス内容、要望や苦情を受け入れるシステム、など具体的に契約書で確認し、実際にも目で見て確かめましょう。都道府県が公表している「介護情報サービスの公表」情報も必ずチェックしましょう。
1.介護付か否か
→ 介護保険の特定施設と指定を受けなければ介護付き、ケア付きの表示はできません。この表示がなければ介護が必要になったら別に介護保険サービスが必要になるか、または退所することになります。
2.利用料
→ 月額利用料に含まれる費用の内訳を必ず確認しましょう。また介護保険に基づく利用料以上の上乗せサービス費用があったり、日常生活支援サービス費用が必要な場合もあります。また逆に低額利用料を謳い、実際のサービス内容が劣悪な場合もありますので、人員配置、サービス内容と費用の関係は事前に必ず確認しましょう。
3.途中解約と入居一時金の返還
→入居一時金の返還条件や保証システム、さらに経営状態も必ず確認しましょう。
契約書の確認に不安がある場合やいったん入居した施設のサービス内容に苦情がある場合には、是非専門家への相談をお勧めします。
女性協同法律事務所
福岡市中央区天神2-14-8 福岡天神センタービル4階
TEL 092-751-8222
http://www.josei-kyodo.jp/
「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。