インタビュー

中川 久美さん/後輩があとに続きたくなる“見本”を目指す。

中川 久美(なかがわ くみ)さん
九州旅客鉄道株式会社 戸畑駅 駅長

直方市出身。1995年『九州旅客鉄道株式会社』入社。折尾駅を経てサービス部サービス課へ。利用者からの相談、要望などに対応する業務に携わる。1999年旅行事業本部へ。2009年『九州観光推進機構』に出向。2011年より戸畑駅駅長として働く。リフレッシュ方法は休日の家事や掃除。

後輩があとに続きたくなる“見本”を目指す。

5月に北九州編集部が開催した「ワールドカフェ」では、各業界で活躍する面白い人たちに声をかけ、「幸せに働く」をテーマに大いに語った。聞くとメンバーの中に“女性の駅長”がいるという。ぜひ話を聴きたくなり電話すると、「わたくしでよければ…」と真摯に応えてくれたのが中川さんだ。

『JR九州』史上3人目の女性駅長。
通されたのは戸畑駅の元駅長室だった。壁には歴代の駅長の名がズラリと並ぶ木板があり、男性名が続く最後に、女性名「中川久美」が初めて刻まれている。『JR九州』史上3人目、9年ぶりの女性駅長だという。“ 女性” というだけで珍しく、注目されることもあるが、本人は戸惑いを感じることもあるという。
「女性の駅長、といわれても何だかピンとこないんです。プライベートも仕事も関係なく、男性と同じ土俵でやってきたつもりなので」と穏やかな口調で語りだした。

“頑固” ゆえに想いは真っ直ぐ。
会社に入社したのは25歳の頃。始めは “お客さまの声” を担当するサービス課に従事したが、心の中では旅行業への想いが募っていた。もともと好奇心が強く、旅行好き。日本各地はもちろん“いろんなものを見てみたい” 一心で高校卒業後には留学を決心するほど。親は反対したが一年かけて説得し単身アメリカへ飛んだ。
「“川筋女” ですから」と自他共に認める頑固者。旅行事業本部への異動も周囲に想いを訴え、3年かけて実現できた。“静” の中に芯のある“熱”を秘めている。

「ベストは何?」と常に問う。
順風満帆にキャリアを積んできたように見える中川さんだが、苦しい時期もあった。旅行事業本部で5年目のこと。企画側の中川さんと、旅行商品を販売する現場側との意思疎通が上手くいかず「口先だけで指示して…」と言われることがあった。
状況を救ったのは当時の上司。「支店で働いて現場を学んでみてはどうか」と提案してくれたおかげで、現場からの言葉が腑に落ちるようになった。
「今までずっと上司にはとても恵まれていたと思います。“中川の好きにやれ、責任は自分がとる、思うようにしたらいい!” とドンと構えてくれる。自分もそんな上司でありたい」。
鉄道畑は実に16年ぶりという中川さん。鉄道業務の傍ら、部下の相談に応じたり草取りをしたり…管理責任者としての仕事は多岐にわたる。“ どうしたらよくなる?” と常に問いかけながらの毎日は、あっという間に終わる。改札口での朝の挨拶は「一日の半分のパワーを使う」ほど力を入れているそう。そんな中川さんのメンターとは?
「喜びも悲しみも周りの人に表現できる女性の先輩がいて、その人に近づきたいといつも思っています。グループ会社の社長になる方や、バリバリ仕事しながら家庭も大事にしている方など、目標になる女性はたくさん。私も後輩が後に続きたくなる先輩になりたい」。
凛と語る中川さんは、まさに “上司” の顔。彼女に救われる部下や後輩も多いのだろう。その連鎖が働きやすい職場を生み、よりよい成果を生み続ける。

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