「今のまま、仕事を続けていてもいいのかな…?」と悩んだり、
結婚や出産などをきっかけに、いっそ辞めようかと迷ったり…。
けれど本当に、辞めてしまってもいいのだろうか?
辞めてから後悔しないために。自分らしく働き続けるために。
「私が働くこと」について、向き合ってみよう。
働くことを改めて考えるにあたって、まずは現実を知ることから始めよう。
もし、「仕事を辞めた」場合に考えられるリスクを、いくつか紹介します。
※今回の記事内での「仕事を辞める」とは、会社を退職することではなく、働くこと自体を辞めることを指しています。
第1子の妊娠が分かった時点で仕事を続けている人の割合(就業率)は全体の約7割だが、その中で、第1子出産後の就業率はガクッと落ちて約3割(表1)。つまり、残る7割の人が出産を機に仕事を辞めているのだ。仕事の継続に際して、出産はいまだ高い壁であることがわかる。 また、一度仕事を辞めた後に再就職した人を見てみると、8割以上がパート・アルバイト等非正規の仕事に就いているという事実。一度辞めてしまうと、常勤として再び働くのは至難の業だ。
会社を辞めると、あなたの生涯賃金はどれだけ減ることになるのか。ここで、3つの働き方と生涯賃金の推計をみてみよう。右のケース2に関しては、一度仕事を辞めてキャリアが中断されたうえに子育てしながら正社員として再就職することはかなり難しいため、ほとんど実現しないと言える。ケース1と3とを比較すると、その差はなんと2億円以上! この現実を知った上で、それでも辞める、と果たして言いきれるだろうか…?第1子の妊娠が分かった時点で仕事を続けている人の割合(就業率)は全体の約7割だが、その中で、第1子出産後の就業率はガクッと落ちて約3割(表1)。つまり、残る7割の人が出産を機に仕事を辞めているのだ。仕事の継続に際して、出産はいまだ高い壁であることがわかる。 また、一度仕事を辞めた後に再就職した人を見てみると、8割以上がパート・アルバイト等非正規の仕事に就いているという事実。一度辞めてしまうと、常勤として再び働くのは至難の業だ。
2010年の1年間に離婚した人の割合(離婚件数÷婚姻件数)は、35.9%。つまり3組に1組は離婚、という計算に。もし、万が一自分が離婚したとき、働いていなければ一人で生活することができない経済状況に…!経済的な自立は、自分の“もしも”を守るためにも大切な要素だ。
婚姻件数 | 70万214組 |
離婚件数 | 25万1378組 |
2010年厚生労働省「人口動態統計」より
リーマンショック後の2009年以降、世帯主の失業者数が急増している。例えば、世帯主が夫の場合、その夫が万が一リストラなどで失業してしまったら…。家族を支える収入を1人だけに頼るのは、今やとてもリスクの高いこと。夫と妻、二人で家計を支え合うことが、リスク分散につながる。
モチベーションの低下や、出産、夫の転勤など様々な壁を前にして、「それでも、働く」という選択をした女性達に声を聞いた。辞めないために工夫したこと、働き続けたことのメリットなど、彼女達の経験の中から、「私らしく働き続ける」ヒントを見つけよう。
予期せぬ部署異動も、経験を積むチャンス。
“無理せずできることから”が長く働く秘訣。
品質保証課 研究開発担当
福田真紀さん
今の会社に勤めて19年目となる福田さんはこれまで、品質管理や一般事務、お客様サービス室でのクレーム処理まで、社内のあらゆる部署を経験してきた。自分の希望やキャリアとは関係なくまったく未経験の部署へ異動しても、彼女の働きぶりは実に前向きだった。「新しい部署に行くたび、自分が知らないことだらけで学ぶことはまだまだたくさんあるって思えたんです。一つの会社にいながら様々な経験ができるなんて貴重なことですから」。 未経験の部署で新しい知識を吸収しながら、これまで培った経験から活かせるものはないか。そうして真摯に仕事に向き合い、できることから少しずつ積み上げる日々。そして、8年前に異動した商品の開発部署で、彼女の積み重ねは大きく開花した。彼女が手がけて商品化したものは、これまでなんと50種類以上。自分の努力が商品という形に残る今の仕事のやりがいは、計り知れないほどだという。「どれだけ試作してもまったくうまくいかず落ち込むことも多いですが、モチベーションが下がったときには無理せず定時で切り上げたりして、気持ちをリセットするよう心がけています。自分の気持ちとうまくつき合いながら、今自分にできることに取り組んでいます」と、無理しすぎない仕事スタイルが働き続けられる所以だろう。謙虚な姿勢で仕事に臨み、自分を信じてできることを1つずつ積み重ねていった先には、大きな達成感が待っている。
中学生の頃からの夢を実現。強い想いが仕事を引き寄せる。
九州国際センター(JICA九州)
JICAデスク福岡 国際協力推進員
古賀知美さん
小学生の頃にインドネシアの友人ができたことがきっかけで海外への興味が芽生え、中学生の頃には「いつか青年海外協力隊に参加したい」と夢を抱いた古賀さん。いったんは公務員に就くも、仕事の傍ら試験を受けた。1度目は希望が叶わずも2度目の挑戦で合格。念願の青年海外協力隊で2年間、支援活動に従事した。帰国後も海外に関わる道を模索し、中国に日本の業務をアウトソーシングする仕事に就いたことでさらなる進路が拓けた。「日本の常識をそのまま中国に当てはめようとしているのを見て違和感を抱きました。日本人が他国の人や文化をもっと知って上手につき合うために、私にやれることを仕事にしたい」。その想いが、海外支援や他国の文化、情報を紹介するJICA国際協力推進員へ転職したきっかけだ。今はセミナーや出前講座の企画運営を行い、海外の情報を広めるべく奮闘中だ。「自分の夢をずっと意識し続けていたから、この仕事に出合えたのかもしれません。今はここで納得できるまで働きたい」。自分がやりたいことに素直に、果敢に挑めば、道は自ずと開けるのだ。
『専門家からのヒトコト』など、記事の詳細はPDFでチェック!(左P1、2 右P3、4)