キャリア

食育せずとも、子は育つ

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随分前のこと、知り合いの日本人男性がアメリカ人女性と結婚した。2人の子どもに恵まれ、とても幸せそうだったが、彼らの夕食が連日「マクドナルド」と聞いてかなり驚いたのを覚えている。その彼にも気の毒だったし、子どもに関しては哀れにすら思った。
しかしアメリカに住んでみて、あの奥さんの行動は、こちらではごく普通であることに気が付いた。

アメリカで大家業をしている人に話を聞くと、日本人に家を貸すと、とてもきれいに使ってくれるけれど、とにかく連日料理をするので台所がひどく劣化すると言っていた。一方でアメリカ人に貸すと、台所はあまり使われずにピカピカのままだと言う。
妻や母親も働くのが当たり前のこの国では、手間のかかる料理という家事がかなり省略されている。

私の義兄夫婦もそういうアメリカ人スタイルで、成人した子ども3人をファストフードで育て上げた。朝食やお弁当はもちろん、手作りの夕食もほぼ準備したことはない。かわいそう?なんのなんの、子どもたちは病気もせずにすくすくと、しかも天真爛漫に育っている。義兄夫婦の全てにおいての大らかさが、良い影響を与えたようだ。
義兄夫婦の辞書に「イライラ」という文字はない。食事を作る時間がない?なら、買って来ましょう。誰も怒っていない、イライラしていない、余った時間は皆で映画を見ましょう!

img_2018autumn_los1※食生活の管理は各々の責任のもと、体調に合わせて行ってください。

しかしアメリカでもさすがに糖尿病のような病気を持つ人は食事制限するだろう。…と思ってたら甘い甘い。
先頃会った糖尿病のおじいさん(アメリカ人)は、レストランで大きなステーキと糖質の高そうなマッシュポテトを注文。テーブルでおもむろに注射器を取り出し、太い腕にぶっ刺して、むしゃむしゃと平らげた。日本で会った同じく糖尿病のおじいさんは痩せた体で「もうご馳走は食べられません」と呟いていたっけ。アメリカ人のあのおじいさんは長くは生きられないかもしれないけれど、彼なりの方法で人生を有意義なものにしている。

とはいえ私が彼らのような思考ができるかというと、そう簡単ではない。どうしても将来のことを心配して今を制限してしまう。アリとキリギリスなら断然アリタイプ。
でもこれからはキリギリスになろうと思う。そんなときに習った言葉が「マインドフルネス」。先の心配をせずに、今やっていることに集中することで健全な心身を保とう、という考え方だ。

つまりファストフードを食べているなら、「こんな食生活だと早死にする」などと考えずにエンジョイし、車を運転しているなら明日のプレゼンの心配などせずに運転に集中する。心配の雨雲はいつの間にか頭の中に垂れ込める。それを吹き飛ばす私の訓練は、まだ始まったばかりだ。

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猪股るー

元アヴァンティ副編集長。2016年にロサンゼルスにて広告・翻訳プロダクション「Ru-Communications LLC」を起業し、雑誌や広告を専門とするキャッチーな日英翻訳、日英広告制作などを行っている。著書に『愛する日本の孫たちへ』(桜の花出版)、韓国で出版された『チョルムン イルボノロ マルハジャ』(サラミン出版)などがある。
WEB www.rucommunications.com アメブロ http://ameblo.jp/ruinomata/

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