自分を信じ、心の燃えるほうへ。シンガーとして全米デビュー。
Nobさんへ3つの質問
Q.この仕事に向いている人は?
A.自分を信じられる人。僕はシンガーとして歌う機会を探し続け、決して自分の夢を手放さなかったから今があります。
Q.座右の銘は?
A.「なんとかなる」ですね。なんとかなると自分に言い聞かせながら、なんとかする。誰でもできるんですよ!
Q.職業ならではのクセは?
A.散歩すること。ゆっくり散歩していると見慣れた風景にもいろんな発見があり、新しい発想もわいてきます。
シンガーへの夢と現実の狭間でもがき続け、28歳でNYに渡ったNobさん。31歳から本格的にトレーニングを始め、34歳で全米デビュー。そんな彼が2015年福岡へ舞い戻り、大名に店を構えた。
夢の原点は「中学生のとき、福岡ドームでマイケル・ジャクソンのステージを見て、ハートを打ち抜かれた」こと。音楽の世界に憧れ、福岡の大学を卒業すると東京へ。バイトをしながらオーディションに挑んだが、道は一向に拓けない。28歳になると周りは仕事で昇格したり結婚したり…。たまりゆくモヤモヤを吹っ切るべく突然、渡米を決意したという。「単なる直感です。お金もコネもなく、英語も全然ダメ。でも、諦めがつかず、3年だけNYで頑張ってみようと思ったんです」。
不安と希望が入り混じる中、自分を奮い立たせて米国へ。だが物価が高く、生活費と学費を稼ぐためにバイト漬けの日々。「音楽に向かう余裕はなく、心身ともに追い込まれて真っ暗闇でした」。しかし、4年目にわずかな光が。音楽プロデューサーに出会い、有名なボーカルトレーナーを紹介されたのだ。「非常に厳しいレッスンは辛すぎたけど必死に食らいついて。高額なレッスン代を捻出するため、寝る間もなく働きました」。そしてオーディションを受け続けた結果、アーティストの憧れ「アポロシアター」や「マクドナルド・ゴスペルフェスト」に何度も出場し、各地から出演依頼が舞い込むように。そして2014年、自らの経験をもとにした「Find My Way」で全米デビューを果たした。「諦めなければなんとかなる」としみじみ語る。
帰国すると、小さなステージのあるバー『555』を大名にオープン。アーティストを志す若者を雇い応援している。一方、自らも次に向けて準備中。最終目標は大きく「グラミー賞をとること」だ。「自分を信じ続けることが一番大事。辛くなってきたら、そろそろご褒美がくると思えばいいんですよ。本当にくるから」と優しい笑顔を見せる。幾多の荒波を乗り越えてきた経験者の言葉は、説得力に満ちていた。
ソウル&ゴスペルシンガー ミュージック セッション バー『555』 マスター
Nobさん
1980年佐賀県生まれ。九州産業大学を卒業後、東京へ。28歳でNYへ渡り、自分の道を模索する。31歳のときトレーナーのもとでトレーニング開始。アメリカ東部最大のゴスペルイベント「マクドナルド・ゴスペルフェスト」に日本人初の3年連続出場、アポロシアターのアマチュアナイトで3位入賞。TV東京「カラオケ☆バトル」に出演。2015年に帰国し、2016年『555』開店。