インタビュー

大方 優子先生/なぜ、女性たちは何度も旅行へでかけるの? 旅行者の心理と行動を知り、リピートしたくなる観光地へ。

大方 優子(おおかた ゆうこ)先生
九州産業大学 商学部第一部
観光産業学科 准教授

広島県出身。青山学院大学経済学部卒業。ハワイ大学マノア校旅行産業経営学大学院修了、立教大学大学院観光学研究科観光学専攻修了。観光学を専門とし、観光者の行動・心理、観光産業におけるマーケティングの研究を行っている。学生時代に東京ディズニーランドでアルバイトをした経験から「観光者の心理」に興味を持ち、現職へ。趣味は、旅館・温泉巡り。

なぜ、女性たちは何度も旅行へでかけるの?
旅行者の心理と行動を知り、リピートしたくなる観光地へ。

女性たちは、なぜ旅行が好きなのだろう。「1980年代以前は旅行自体が特別なことで、〝そこに行く〞 という行動に意義があり、それだけで満足できていました。ですが近年では旅行自体が珍しいことではなく、〝どこ〞 に旅行をしてそこで、〝何をするのか〞など、目的を持った旅行が日常生活での楽しみの一つに変わってきています」。そう教えてくれたのは、「観光者の行動や心理」を研究する大方先生。「なぜ旅行に行くの?」という質問への答えは「リフレッシュしたいから」「食事」など、人によって千差万別だろう。そして、ヘビーユーザーとして何度も訪れる観光地は存在する。女性が何度もリピートしてしまう旅、地域にはどんな魅力があるのだろう。今月は「観光」にスポットを当ててみた。

旅好きな女性たちがリピートする理由って?
大方先生はヒットするポイントをいくつか教えてくれた。「まず、観光地のターゲットが明確であり、観光者を喜んで受け入れる地域体制になっているかが大切です」。先生は、例として、旅行地として根強い人気のある韓国をあげた。韓国のターゲットは、ずばり外国人観光者。誘致のため、市内には観光者が迷いそうなスポットに案内所を作り、その案内所には各国の言葉で観光地を紹介した地図が完備され、街中の案内板には外国語での地図表記も多い。さらに、赤い服を着た外国語対応の案内人が街中に立ち、気軽に観光者からの質問に答えてくれる。地元住民や行政が一丸となって、〝観光で地元を盛り上げよう!〞 という共通の目標を持ち、集客のために一緒に努力をすることも、やはり重要であると先生は言う。「街中に立つ案内人など、旅行者の気持ちになって考えられた 〝気遣い〞。これも、また訪れたいなと思う要素の一つですよね」。そして、〝変化〞 をし続けることもポイントだそうだ。「旅行は、思い出のコレクションのようなもの。サービスは一度きりで終わりますが、行った思い出は一生残ります。旅先の思い出話で、〝今回は○○ができなかったから、次こそ〞 などと盛り上がったりしませんか?」と先生。魅力ある観光地には訪れるたびに、以前にはなかった新しい楽しみが用意されている。絶えず時代の流れや消費者の要求に合わせ、観光プランの見直しや工夫を続けることが、リピーターを増やす一因に繋がるようだ。

これからの観光の課題とは?
「観光地側は長年売り出すモノを変えずに、そのまま同じPRを行うことも多いですが観光者の要求は、時代に合わせずっと変化しています。観光地は従来の旅行プランだけに頼った商品(サービス)を売り出すのではなく、行く側の旅行者が魅力的に感じるモノやコトをアピールすべきです」。その観光地をどれだけ、〝行く側〞の視点で客観的に見てPRできるかが課題だそうだ。訪れる観光者側の心理に立つには、まず消費者の心理と行動を学ぶべき。今回のゼミでは旅行に対するリピーターの行動や心理を学べる。観光に携わる人にぜひ聞いてほしい2時間だ。

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