岸 紅子(きし べにこ)さん
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会 代表理事
Profile/1974年東京都生まれ。慶應義塾大学在学中に、女性ファッション誌のモデルとして活躍しながら、化粧品ブランドの立ち上げや美容サイト運営に参画。ホリスティックビューティの大切さをいち早く発信。『NPO法人日本ホリスティックビューティ協会』を設立し、2010年秋から「ホリスティックビューティ検定」開始。トークショーをはじめ、雑誌・WEB・新聞・テレビ・ラジオなど、多くのメディアでも活躍中。
(NPO法人日本ホリスティックビューティ協会 http://www.h-beauty.info/)
心と体が健康なら、女性は輝き続けられる。
大学生になって出合った美容の道は、キラキラと輝いて見えた。たまたま応募したオーディションに合格したことで、ファッション誌の読者モデルになった岸紅子さん。興味の赴くままに化粧品会社でアルバイトをはじめ、当時まだ日本で知られていなかった、心身のつながりにフォーカスするホリスティック医学に興味を持った彼女は、リフレクソロジーの資格取得にアメリカ短期留学も果たし、美容サイトのライターとしても活躍した。「このまま美容の道を突き進めると思ったので、就職活動はしませんでしたね」。
卒業後は就職することなく、美容サイト制作技術者数名を社員に、会社を設立。まさに順風満帆という言葉がピッタリだったが、その時はまだ、本当の意味での女性の心身のバランスの大切さには気づいていなかった。
女性の幸せに必要なもの
夢に向かってがんばる多くの女性がそうであるように、20代前半から後半にかけて、岸さんは突っ走った。絶頂期は27歳の頃。月に10誌の撮影や美容記事の連載をこなし、ファッション誌『マキア』のロールモデルに抜擢されコンセプトづくりにも携わった。昼夜問わずがむしゃらに働き続けていたら、体に異変が表れた。「咳が止まらなくなって。ストレス性の喘息の診断を受けました」。
だが、休むわけにはいかなかった。「自分自身のためというよりは、自分を頼ってくれている社員のために…という気持ちが強かったですね」と当時を振り返る。自分の心と体からのSOSを無視し、吸入ステロイドを使って仕事を続けた結果、呼吸困難で倒れ、救急車で運ばれる事態になってしまう。
「はじめて、自分を痛め続けていたことに気づいたんです」。
岸さんは実家に帰ることを選択。「普段は何も言わない母が『朝起きてご飯を食べなさい』とだけは主張して、毎朝起こしてくれました」。家族の温もりとバランスの取れた食事のおかげで、少しずつ心身が回復。家族や自分を労ることの大切さに気づきはじめた28歳の頃、パートナーと出会い、結婚。やっと、穏やかで幸せな生活を手に入れられる…はずだった。
「長年体を酷使したことによって、体が、思った以上に大きなダメージを受けていました。重い子宮内膜症になっていたんです。卵巣は9㎝にまで腫れ上がっていました」。投薬治療によって更年期障がいの症状に悩まされ、外に出るのも億劫に。治療の効果も思うようにはあがらず、内膜症の手術を受けた。その甲斐あって症状は次第に改善し、妊娠、出産が叶った。
心身の健康が鍵
改めて自分の体や生活を見直し「がむしゃら」ではなく「バランス」を選び直した岸さん。 「自分の心と体がヘルシーであれば、いくらでも、人生はリカバリーできるんです」。岸さんの毎日は、幸せと充実感に満ちた時間へと変化した。「自己実現と夢に向かってがんばる女性たちが、自分のようにつらい思いを経験する前に、心身の健康が何よりも大切だと知ってほしい」という強い思いから、『NPO法人日本ホリスティックビューティ協会』を設立し、検定をスタート。 「女性にとって本当に必要なことを伝えたい。自分の心に素直に生きることが、心身の健康と幸せにつながるから」。そんな岸さんの思いを、10月29日のトークライブで受け取ってほしい。