インタビュー

豊川 裕子さん/「人を育む空間づくり」で 豊かな文化と心を創造する

地元の建築家として初の「北九州市建築文化賞」に輝いた「千草ホテル」。高いデザイン性と堅牢さ、環境への低負荷が評価され、優秀賞を受賞した「第一回北九州ストック型住宅コンテスト」。後世に残る作品を生み出し続けて40年。建築家・豊川裕子さんの根底には、人間に対する深い洞察と愛がある。

「『人間』って『人の間』と書くように、一人では生きられない。言い換えれば、人はコミュニティの中でお互いに関わりながら育まれていくの。そのための器や空間を設計するのが建築家。だから、人間の幸せとは何か。人間とはどう生きるべきか。建築家は技術以前に、こういった哲学を学び続けることが必要なのよ。だって、人間のための人間の空間を作るんだもの」。

個人や社会の求めるものを、より機能的に美しく創造する。その到達点は単なる建物を超え、優れた景観の一部として人々の感性をも育みたいとの願いにある。「おしゃれは人のためでしょう? 自分では見ることができないのだから。建物も同じ。花を育てて道行く人の目を楽しませることも、雑草の一つを抜くこともすべて同じ。他人に寄り添い思いやる、そんな一人ひとりの心がけが、豊かな街をつくっていくんです」。現事務所の近くには新オフィスと賃貸マンションが入る瀟洒な自社ビルを建設中だが、地域の景観向上に役立てたいと、緑化や植栽にも心を配る。

多忙な中、30代から「北九州ミズ21」初代会長を務めるなど、数々の社会貢献活動に力を注ぐのも、すべては「よいことをしないことは、悪いことをするのと同じ」との信念から。「もし来世で生まれ変わったら、またこの街に生まれたい。自分の蒔いた種がどんな風に育っているか、楽しみなの」。彼女の深く温かい眼差しは、まだ見ぬ未来の子ども達の幸せな姿にも向けられている。

『株式会社 豊川設計事務所』代表取締役社長
豊川 裕子さん

1948年生まれ。旧門司市出身。一級建築士、管理建築士。実父の設計事務所を継ぎ、2002年3代目の代表取締役に就任。商業施設や病院、福祉施設、住宅など数多くの建築物を手がける。

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▲1.2016年5月に行われた「G7北九州エネルギー大臣会合」レセプション用の法被をボランティアでデザイン。製鐵の赤銅色、小倉小笠原藩の紫紺をベースに、モチーフは風力発電と玄界灘。

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▲ 2.「デザインも構造も100年は持つ」と評価された邸宅。環境に配慮し、先々まで見透す豊川さんの考えが表現されている。

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▲ 3.屋上緑化で未来を育む保育園。


株式会社豊川設計事務所
北九州市小倉北区井堀4-1-25
http://toyokawa-aa.com
TEL/ 093-581-7082

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