「ビジョンを明確にし、その志を発信する。そして応援してくれる仲間を増やす。これは会社を経営するうえでとても大切なことです」。そう教えてくれたのは、『株式会社Green prop』代表の川添克子さん。環境に配慮した資材調達から製品づくり、そして廃棄・リサイクルまで、環境対策をトータルでサポートするコンサルティング業を展開。グループや協力各社の顧客は世界に広がる。
川添さんが家業である廃棄物業界に入ったのは23歳の頃。それまで美容業界にいた彼女にとって、作業着を着る仕事は嫌で仕方がなかったが、父親の想いを汲んで入社を決意。「覚悟を決めて猛勉強する中で、自社の問題点や業界が見えはじめました。 “燃やす・埋める” ではなく様々な形でリサイクルを実現すれば、未来の環境を創る会社になれる。そう考えるとエネルギーが湧いたんです」。ビジョンの実現に向けて、設備の小さな自社をカバーするべく、大手企業との提携のために奔走した。
そんな川添さんが壁にぶつかったのは、父親が他界し事業を受け継いだ頃だ。多忙を極めた彼女は社員とのコミュニケーションがとれず、工場職員が一度に退職。この経験から社員との関わり方を一新した。「自分の言葉で目的や目標を伝えるようになりました。一人では仕事はできない。チームの力は絶大です」。これが経営者として覚醒したきっかけともなった。
「話を聞いて顧客の課題の本質を見抜くことは、女性のほうが長けていると感じます」。現在、事務系社員の約半数が女性だという。女性らしいコンサルティング力を生かし、「企業が社会的責任を果たすための活動」を意味する “CSR” のサポートも事業化した川添さん。農業など新たな事業展開も模索する彼女のもとには、その志に共鳴する仲間が集い、共に持続可能な未来づくりを目指している。
川添 克子さん
1997年『株式会社筑紫環境保全センター』(現『株式会社Green prop』)に入社。2002年より副社長として実質的な経営を担う。2013年社長就任。美容業界という前職の経験を生かし、廃棄物コンサルティング事業やCSR・ブランドづくり事業、発電事業を展開。2012年に3R推進全国大会にて「環境大臣表彰」受賞。グループ2社の代表取締役も担い、『Green prop グループ』全体の成長をけん引する。
▲1.講演やセミナーでCSRの普及に尽力する川添さん。
▲ 2.画像は竹繊維を使った機能性食品容器。資材調達から企画デザインまでグループ会社全体でサポート。
▲3.企業イメージを統一するため、会社が所有するトラックを多様なカラーでペイント。持続可能で多様性のある未来づくりという会社のビジョンを共有するのに役立てている。
株式会社Green prop
筑紫野市大字永岡1272-14
http://greenprop.jp/
TEL/[free] 0120-52-0589
※グループ会社に『株式会社ATGREEN』『Sustaina green株式会社』あり