インタビュー

田村 晟一朗さん/心地よく人が集う空間を設計しリノベーションで街を元気に

心地よく人が集う空間を設計しリノベーションで街を元気に

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田村 晟一朗さんへ3つの質問

Q.この仕事に向いている人は?

A.デザインを通して社会に意識が向いている人。

Q.座右の銘は?

A.「初心忘るべからず」。創業時の志も苦労したことも全て忘れず、感謝の気持ちを持ち続けたいと思っています。

Q.この職業ならではの癖は?

A.どんな建物に入っても、天井を見上げることですね。空間の作り方を把握したくなるんです。空間と人とのバランス、居心地のよさを体感し、自分の中に蓄積しています。

小倉・室町に昨年オープンした「室町シュトラッセ」。3階建ての古い空きビルをリノベーションして、飲食店やシェアオフィスなどが入居し、人が集うおしゃれな空間に生まれ変わった。企画・設計を手掛けたのは、数々のリノベーションプロジェクトを成功させてきた田村晟一朗さん。「クライアントさんの商売を繁盛させたり、街を元気にしたりする仕事がやりたい。それには、リノベーションという手法が一番合っていたんです」。

工業高校の建築科を卒業後、「知らないところに行ってみたい」と、高知から北九州の専門学校に進学した。仕事の楽しさに目覚めたのは就職して3年目。デザイン事務所に勤めていたとき、デパートから商品ディスプレイの企画依頼があり、アイデアを採用されたことがきっかけだった。

「考えたものが具現化されて、世に出ることが楽しいと思えるようになったんです。クライアントさんとコミュニケーションを取りながらつくり上げ、皆さんの役に立つ仕掛けができたことに感動しました」。

この経験を機に、“デザインの先に広がる世界”を意識して仕事をするようになった田村さん。28歳から一級建築士の勉強を始めて3年後に資格を取得し、新築マンション、クリニック、商業施設などの建築設計を多数手掛けるようになった。

34歳で独立してからは、積極的にリノベーションにも携わるようになった。田村さんのプロジェクトは、コンセプトづくりから入居者紹介まで幅広い。オーナーの思いや物件の地域性など、できる限りの情報を集めてイメージをふくらませ、テナントや利用者の雰囲気が見えるカラフルな絵を描き出す。このイメージ図をもとに入居者を募り、紹介された人には会いに行く。建築士として設計・監理業務はもちろんのこと、立体的かつ長期的に関わっていくのだ。

今後の目標は、人と建物がともに発展していくような“成長する空間”をたくさん創り出し、街を元気にしていくこと。田村さんが設計に込めるリアルなイメージは、建物にみずみずしい命を吹き込む。

『株式会社 タムタムデザイン』 代表取締役 一級建築士
田村 晟一朗さん

1978年高知県生まれ。高知工業高等学校建築科、読売九州理工専門学校建築学科卒業。建築設計事務所、インテリアデザイン事務所を経て、2012年『タムタムデザイン一級建築士事務所』を創業。2014年『株式会社タムタムデザイン』設立。新築マンションや商業施設の設計・監理業務のほか、リノベーションのプロジェクトに積極的に携わる。古民家再生「アルコープ風呂乃井」、リノベ長屋「トルテチスタ」、空きビル再生「室町シュトラッセ」などを設計。

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