「北九州芸術劇場プロデュース」シリーズの最新作・第9弾『しなやか見渡す穴は森は雨』が、2017年2月26日(日)ついに公開!
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http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/event/2016/0226nozoe.html
北九州芸術劇場プロデュース公演シリーズとは?
2008年にスタートした北九州芸術劇場プロデュース公演シリーズの第9弾『しなやか見渡す穴は森は雨』。作・演出に劇団「はえぎわ」のノゾエ征爾を迎え、過去最多応募総数のオーディションで選出された16名のキャストとともに、現在北九州芸術劇場で創作されている。同シリーズは、地域からの創造発信として北九州、そして東京でも上演。オリジナリティ豊かな作品を生み出し、話題を呼んできた。作品は北九州をモチーフに描かれ、出演者は地元の役者を中心にオーディションで選出、作家が実際に北九州に滞在して創作するレジデンススタイルでつくられている。第一線で活躍する気鋭の劇作家・演出家が北九州をモチーフにどんなドラマを描くのか、毎回楽しみなシリーズだ。
『しなやか見渡す穴は森は雨』という、一風変わったタイトル
『しなやか見渡す穴は森は雨』という一風変わったタイトルは、出演者16名の頭文字を並べ替え、練られたものだという。創作の現場と常に真摯に向き合い「この土地でこの出演者ならではの作品をつくりたい」というノゾエ氏の強い想い、そして機知に富んだ彼ならではのユーモアが伺えるタイトルに作品への期待が膨らむ。
ここも楽しみたい!「ノゾエ征爾/作・演出」作品
ノゾエ氏は昨年、故蜷川幸雄氏に託された東京2020公認・文化オリンピアード1万人のゴールド・シアター2016『金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~』で、一般公募の市民1,600人と共に作品創作に挑んだ。平均年齢65才という出演者たちの、もどかしくも表現しきれずにいた、溢れんばかりのエネルギーを見事に描き出し、大成功を収めている。悲劇を描きながらも、ひたすら愛情深くどこか可笑しみを誘う演出が、ノゾエ作品最大の魅力。「その場の愛をたっぷり感じながら作品をつくりあげたい」というノゾエ氏の挑戦は2017年早春、北九州へと舞台を移した。
街中の散歩と地元のふれあいから脚本が生まれる!?
現在ノゾエ氏は北九州に滞在しながら脚本を執筆、2月26日(日)からの公演に向けて稽古を重ねている。実は稽古開始からほどなくして、当初考えていた “東京を舞台にして北九州から来ている人たちを描く”という構想に違和感を感じたという。「これまではいわゆる観光スポットみたいなところを巡っていたけど、先日稽古の中で、出演者のみんなともっとディープな、生活臭のあるようなところに散歩に行きました。レトロなものや古いものが存在している空気にも魅力を感じましたが、もっと装ってない、整理されていない、まんまがあるのを体感して。そこにリアリティというか息遣いを感じ、現実味が生まれました。今ここで感じている、ワクワクするものを素直に描いていきたいと思います」。
群像劇の麒麟児ノゾエ征爾は、この街の本音に、この街に潜む愛に、どうアプローチしていくのだろうか。公演が非常に待ち遠しい。


ノゾエ征爾 (のぞえせいじ)
俳優・脚本家・演出家。劇団「はえぎわ」主宰。1975年、岡山県生まれ。8才までアメリカで育つ。1999年に「はえぎわ」を始動。2012年、第56回岸田國士戯曲賞受賞。映画やTVドラマなど映像作品にも俳優として多数出演。海外戯曲の潤色・演出や、高齢者施設での巡回公演、地方での創作活動も精力的に行っている。北九州芸術劇場には2005年に松尾スズキ作・演出のリーディング公演出演者として初登場。今回3度目の滞在となる。
