コラム

「#MeToo」を考える

#MeToo」って、どう思いますか?

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私のまわりでは、沈潜してる、って感じがします。
ほとんど話題になりません。

昨年、ハリウッドの大物プロデューサーが複数の女優に性的関係を迫っていたという告発に端を発して、インターネットを通して世界を席巻する大きなうねりとなった、あれです。
なかなか言えないんですよね。みんな、がまんしちゃう。

たまに友人たちに聞いてみると、いやあ、出てくる、出てくる。
とくに、50歳前後くらいの世代は、会社の宴会で上司が若い女子社員とチークを踊るのは当たり前だったし、もう、けっこう、なんでもあり、みたいな感じです。「廊下ですれ違いざまにお尻をなでられた」「給湯室で後ろから抱きすくめられて胸を触られた」。セクハラなんて、言葉もない時代でしたので、誰も文句を言わない。にっこり笑ってかわすだけです。
「出張先で、一緒に風呂に入って背中を流せ」と言われた、というスゴイ話もありました。スゴ過ぎますね!!30年以上前の話です。

今回の「#MeToo」がスバラシイなと思うところは、ハリウッドの有名女優やモデル、アーチストが声をあげた、ということ。マドンナやマライヤ・キャリーらが、女性たちに支援と連帯をよびかけています。有名人がこぞって、社会的なことに、声をあげる、行動を起こす、というところがスバラシイ。だからこそ、フツウの女性たちが賛同する、これだけ大きなうねりになったということでしょう。
ネットの拡散力もパワフルでしたね。

20代女性の活動が広辞苑を変えた

さて、今年10年ぶりに改訂された広辞苑第7版で、「フェミニスト」「フェミニズム」の文章が改訂されました。

10年前の第6版では、「フェミニズム」の説明文に「男性支配的な文明と社会を批判し組み替えようとする思想・運動」という表現があります。今回、「性差別からの解放と両性の平等とを目指す思想・運動」という文言に改訂されました。

「男性支配的な文明と社会を批判し組み替えようとする思想・運動」。

なんとまあ、男性を敵視して、まるで、女性支配に変えようとしているかのような文章です。
世間の人たちが、フェミニズムをそう感じていて、そんな文言になっていったのではないでしょうか。
だから、私は、フェミニストとかフェミニズムという言葉がキライでした。
「男性と女性の能力に差はない。男女平等はあたりまえ。家事や子育ては女性だけがするものでなく、夫と一緒にしたっていいじゃないか。でも、私はフェミニストではない」と思っていました。拳をあげて男女平等を訴えるなんて時代錯誤だと思っていました。

この改訂には、20代の女性たちが働きかけたのだそうです。

昨年、社会派アートグループ「明日少女隊」のメンバーが岩波書店に対して、次回の広辞苑改訂で「フェミニズム」と「フェミニスト」の項目を見直してほしいと求める署名活動を始めました。「フェミニズムは、女性が男性以上の権利を求めたり、ある性が別の性よりも優位に立つとしたりする考え方ではなく、全ての性の『平等』を願う思想」で、その理念が広辞苑の語釈には欠けていると考える」と。

「フェミニズムは何かを攻撃しているんじゃなくて、平等に、みんなで生きやすくなろうという思想」。本当にそのとおりですね。

日本で、「#MeToo」そのものは、あまり大きなうねりとなっていませんが、こうして若い世代が、女性の生きにくさをきちんと認識し、社会を変えようとしていることに、感動しました。それは、この「#MeToo」の動きにつながるものだ、と。

「#MeToo」は、21世紀の新しいタイプのフェミニズム運動かもしれません。

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