皆さんは、投資について学ばれたことはありますか?
日本では、お金のことは、なかなか教えてもらえないという環境ではないか、と思います。
投資は生活の一部
香港では生活の一部として、投資について語られます。
「何に投資しているの?」「どれを買ったら儲かるの?」など、日常の会話の中で、ためらいもなく、投資が語られます。
そして香港では、「株」や「債券」などの金融資産に限らず、「不動産」、「アート」、「宝石」、「ワイン」など、価値が変動するものには、多くの人が興味を示します。趣味として、収集するという側面もありますが、価格の上昇を期待して投資することを考える人が多いのです。最近では、日本の酒造メーカーの限定版ウイスキーが、3000万円で落札されたことも、記憶に新しいです。日本でも報道されていたと思います。

日本はどうでしょうか?
投資と聞くと、「損をするもの」、「危険なもの」と思われがちで、実際に投資に至るまで、長い検討時間を費やしているのが現状ではないでしょうか。そして、行動を取らないという人も多いです。「株」や「債券」という基本中の基本の金融資産でさえ、投資をしたことがないという方は多いのではないでしょうか?「不動産」に関しては、まとまった金額がないと購入できないもの、管理するなんて考えられない・・・と投資対象として検討すらしないかもしれません。そして、「アート」「宝石」「ワイン」については、いうに及ばずで、投資するというイメージも浮かばないと思います。

ある統計によれば、日本人の6割は、「将来や老後のことが不安である」のだそうです。不安を抱えているものの、行動がついてこないのが現状だと思います。「貯蓄から投資へ」という標語は、金融庁をはじめとして、金融機関でも、メディアでも語られていますが、現実には、その変化は表立っては見られません。投資に対する意欲や機運は盛り上がりに欠けています。
では、なぜこんなにも日本と香港の投資に対する意欲に差ができてしまったのでしょうか?
国民の生活レベルが原因でしょうか?
香港と日本の両方で生活した経験から言えば、そんなに違いはないと思います。
では、生活環境の差でしょうか?それに関しては、一つの要因だと思われます。香港では、1年間に様々なイベントが行われます。例えば大きなホールやホテルを借り切って無名の画家から有名な画家のアートを展示し、実際に誰でも購入できるようにするイベントがあったり、世界中から自分のワインを飲んでほしい!と香港に集まる「Wine&Dine」フェスティバルがあったり、数カラットのダイヤモンドの指輪からルビーやエメラルドの装飾品まで取り扱う宝石オークションが毎月開催されていたり・・・。そして、それらは、特別な人だけが参加できるわけではなく、誰でも参加できるオープンものなのです。
また、一般的な投資である「株」「債券」に関しては、学生のうちから授業として、どういうものかをしっかり学びます。メディアでも、毎日のように市況を報道し、繰り返し情報や知識に触れる状態です。地下鉄の中で、スマホで株価を確認している人も、実に多いです。
長い時間をかけて、分散する投資、積み立て投資をすることはとても大事なことです。このような香港と日本の差はありますが、是非早いうちから、投資を学び、一歩を踏み出してみてください。もちろん、何の知識もなしに投資を始めてしまっては、損したり無駄なお金を使う可能性も高くなりますから、まずは投資についてアンテナを高くして、しっかり勉強することから始めてみてはいかがでしょうか?