
高田 仁先生
九州大学大学院経済学府産業 マネジメント専攻(ビジネススクール)
九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻(ビジネススクール)教授。ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター教授。メーカー勤務、大学院進学、コンサルタント、技術移転機関(CASTI、現東大TLO)の取締役副社長兼COOを経て現職。「アントレプレナーシップとは、現状維持に対する挑戦です」と教育に情熱を傾けている。
ビジネススクールで「未来のつくり方」を学ぶ。
新たな事業価値を創造する今を生き抜く私たちに必要な起業家精神。
九州大学ビジネススクールに高田仁先生を訪ねた。
開口一番、「2000年頃を境に先が読めなくなってきているんですよね」。
昨日より今日、今日より明日。私たちは努力を積み重ねて繁栄を築き上げてきた。ところがもはや過去の延長ではやっていけない。先が見えない不確実な世の中になった現代では、全く発想を変えて、ゲームのルールそのものを変えるゲームチェンジが必要らしい。
「ドラッカーの言葉に『成功している事業が障害である』という言葉があります。利益率が下がっている事業がある。しかし売上はあげているし、お客さんはいるのでやめるにやめられない。健全であればあるほど否定する理由がない。その状態をどう変えていくかが重要。
イノベーションはS字カーブを描きます。新しい技術やサービスの出現に、ある時期、ポンと移らなければいけない。例えば、コダックはデジカメに移れなくて破産してしまった」。
アントレプレナーシップは、起業家だけに必要なものでなく、大企業、中小企業問わず、すべての働く人に求められている。
高田先生の授業に九大の特許を使って事業を考える60秒のエレベーターピッチをする演習がある。技術を活かしていかに新しい事業価値を創造するか。8月のアヴァンティ・ゼミでは、未来のつくり方を学ぶビジネススクールの手法でアントレプレナーシップの理解を深める。