企業ではいま、どのような取り組みをしているのか。福岡県内の5つの企業を尋ね、
担当者に聞きました。
目標値を業務や評価に入れたプロジェクトを実施。転勤特例制度などで離職率も減。
日本政策金融公庫
【 取り組み開始時期 〉2008年~ 】
女性職員の割合が全体の約2割と少ない同社は、女性総合職の積極的な採用と目標数値を定め、2008年には18.6%だった女性採用比率を今年は41.2%までに引き上げた。また、管理職に占める割合が現在2.7%の女性管理職を2018年4月までに5%にする計画だ。また配偶者が転勤する場合、本人も同じエリア支店への異動ができる「配偶者転勤同行制度」など、ライフステージにあわせた制度を整備したことで、女性職員の離職率が下がった。部下の女性活躍を進めているかどうかが、管理職の評価にも反映される。また全国152支店の各拠点には女性活躍推進の専任者が配置され、活動を推進している。
九州ブロック
女性活躍推進専任者
溝口 聡子さん
専任者として17支店を担当していますが、優秀な女性が退職するのを度々経験してきた支店長クラスの管理職は特に取り組みへの意識も高いように思います。従来の風土からの変化には様々な課題もありますが、男性もワークライフバランスが必要だという認識はすこしずつ浸透している手ごたえを感じています。
トップの号令でスピード感ある活動を推進。5年間で女性の管理職数を5割程度増やすよう育てることを目指す。
九電産業株式会社
【 取り組み開始時期 〉2014年12月~ 】
昨年12月に「女性活躍推進 ワーキンググループ」を立ち上げ、活動をスタートした同社。現在は全従業員約1200名に女性活躍推進に関するアンケート調査を行い、課題分析の真っ最中だ。社内イントラネットに専用のページを作り、社員や管理職のインタビューなど活動内容も随時発信する。上司と従業員との面談回数を増やし、各自が希望するキャリアサポートを行う「人材育成能力開発制度」も始まった。今年の7月には初の女性マネージャーが誕生。スピード感ある実行力で、いままさに大きく変わろうとしている。
ワーキンググループリーダー
環境部 業務管理グループ
井浦 しのぶさん
『女性活躍推進の取り組みは、男女の別なく、全従業員の働き方が尊重されることを目指すものだ』と社長が全従業員に向けてメッセージを送ったことで、全社的な協力体制ができ、活動もスムーズに行われています。気運の高まりを感じますね。
取り組みは10年目。今は「夫婦の役割分担意識」にまで踏み込んで着手。
TOTO株式会社
【 取り組み開始時期 〉2005年~ 】
同社では2005年に経営トップ自らが女性活躍推進を全社へ宣言。まずは意識改革、続いて女性管理職向け研修や、女性部下をもつ上司に向けた研修など、多方面から女性のスキルアップを支援した。その間、男女採用比50:50という目標を設定し、さらに育児制度整備も進める。改定を重ねた結果、現在は時短勤務制度だけで14ものパターンが用意される。その他、有休を積み立てて育児に利用できる通称「パパママ休暇」や、男性の家事参加を応援する「初心者向け料理教室」を開催。家庭の意識改革まで踏み込んだ活動を打ち出している。
人財本部 人財部
ダイバーシティ推進グループグループリーダー
田辺 純子さん
商品開発やサービスに女性の視点を活かすことができれば、より幅広くお客様のニーズに応えることができます。会社としても、女性の活躍が必要でした。10年間の活動を通じて、2013年ダイバーシティ経営企業100選、2014年度なでしこ銘柄に選定され、社外からも成果が評価されています。
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