世界の変遷|冷戦後のアメリカの中東に対する影響とトランプ後の世界の変化とは。
今回伺った久留米大学の宮原教授は、中東の和平復興と世界の軍備管理・軍縮が専門だ。
先生と中東との出合いは大学時代の講義。「シャーの政権は倒れます」と講義で聴いた翌年、イラン・イスラム革命が起こったのが記憶に残っている。なぜそうなるのかという説明も今でも頭に残っているという。そこからが中東への興味の始まりだった。
その後、南北格差の縮小など、途上国への支援をしたいという思いで外務省へ。外交官試験に合格すると、必ず何かの語学を学ぶのだが、7カ国語中、第5志望まで選択するときにアラビア語を志望したのは同期26人中先生ひとりだったことから、アラビア語研修生となり、シリアのダマスカスで2年間勤務した。
現在、大学で教えているのは、冷戦後の世界についてだ。冷戦後の時代の最初の特徴はパックスアメリカーナ、アメリカの支配の時代だ。「アメリカは中東に対してものすごく影響力を持っていた。これまではね。」と先生。
先生が今、関心を持っているのはトランプ後の世界。トランプ氏が次期米大統領に選ばれ、2016年は、冷戦終了直後からの「アメリカの時代」が終わり、自国優先主義とも呼べる時代が始まった年だという。90年代まで経済好調だったアメリカが最も恐れていたのは外部からのテロで、2000年代はテロ戦争に没頭した。アメリカが戦争にまい進していった裏で一体何が起こっていたのか。1月のアヴァンティゼミでは、これまでの世界の変遷とトランプ後の世界の変化について聴く。
久留米大学文学部
滝本 隆先生
久留米大学文学部国際文化学科教授。ロンドン大学東洋アフリカ学院修士。外務省で中東第2課長、在アフガニスタン大使館公使等を歴任。