インタビュー

菅 恒弘さん/社会起業家の活動をサポートし、 “協働”を循環するプラットフォームに。

菅 恒弘(すがつねひろ)さん
『一般社団法人ソシオファンド北九州』共同代表理事
北九州市出身。佐賀大学理工学部卒業。民間企業を経て、2000年北九州市役所に転職。2010年から2年間、北九州市立大学ビジネススクールで学び、MBA(経営学修士)取得。2012年『SVP東京』に参加。2014年6月『一般社団法人ソシオファンド北九州』を設立。

菅さんへ3つの質問

Q. この仕事に向いている人は?
A. いろいろなことに興味を持ち、好奇心が強い人。

Q. あなたのバイブルは?
A.「社会起業家という仕事 チェンジメーカー2」(日経BP社)。

Q. あなたのメンターは?
A. ビジネススクールの同級生、SVPとソシオファンドの活動を通じて知り合った仲間たち。

社会起業家の活動をサポートし、“協働”を循環するプラットフォームに。

ソーシャルビジネスに関わりたい

「本業とは関係ない個人の活動なんです」と、笑顔で語る菅恒弘さん。北九州市役所に勤務しながら昨年、『一般社団法人ソシオファンド北九州』を立ち上げ、社会起業家の支援事業をスタートした人物だ。 団体設立に至る発端は、5年前に出合った1冊の本だった。東京出張の際、偶然書店で見つけた「社会起業家という仕事 チェンジメーカー2」。環境や教育など、さまざまな社会課題に取り組む実業家たちが紹介されていた。「行政以外で社会の課題を解決する人たちがいることに、衝撃を受けました。自分もいつか活動に携わりたいと思いました」。

翌年、チャンスが訪れる。職員派遣研修のビジネススクールで、ソーシャルビジネス(社会起業家の仕事)を学べることを知ったのだ。応募した結果、菅さんは年一人の枠に選ばれ、大学で研究に取りくむことになった。

SVP東京の活動に参加

修士論文は「ソーシャルビジネスの創出に必要な中間支援組織の機能と支援事業」をテーマにした。論文執筆に向けて調査するなかで、『NPO法人SVP東京』の活動を知り、強く惹かれた。SVP東京は、米国ソーシャル・ベンチャーズ・パートナーズ(SVP)にアジアで初加盟した組織。SVPは世界に約40団体あり、日本における社会起業家支援のパイオニア的な存在だ。 ビジネススクール卒業と同時に、東京転勤になった菅さん。興味があったSVP東京の活動に参加し、ソーシャルビジネスの支援方法を学びながら、非営利団体の活動支援を行った。その活動を通して、北九州出身の仲間と出会い、「この活動は北九州にこそ必要だ。北九州でもやろう!」と意気投合。2人で団体設立の準備を始めることとなった。

北九州ならではの活動を目指す

ソシオファンド北九州の支援方法は「口も手もお金も出す」協働スタイル。メンバーが年間10万円出資し、集めた資金を支援団体に渡して共に活動を支えていく。金銭的な見返りではなく、社会的な成果を利益と捉えて享受する。

今はSVPをモデルにしているが、会員数が多い東京と同じやり方では無理があるため、北九州ならではの仕組みを構築していく考えだ。現在のメンバーは18名。経営者、税理士、大学教員、会社員などさまざまな人材が、専門知識や持ち味を生かして活動に関わる。「異業種が集まり、学び合えることも大きな魅力。北九州がさらに良くなる仕掛けや、社会の課題を解決するきっかけになりたいですね」。支援団体も決定し、今年は蒔いた種を発芽させる年。豊かな実りを目指して、知恵と情熱を注いでいく。

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