インタビュー

山本由佳さん/「子どもは国の宝物」。 同じ想いを持つ人たちと 活動を広げていきたい。

山本由佳(やまもと ゆか)さん
株式会社山水輝製薬 代表取締役
北九州市生まれ。西南学院大学卒業後、児童向け英語教室講師となる。結婚を機に退職、夫が経営する『山本産業株式会社』で経理や経営を学ぶ。娘のアトピー治療の経験を経て2010年『株式会社山水輝製薬』起業。2012年『日本肌育学会』設立。商品開発・販売のほか、セミナーなど様々な情報発信を行っている。

「子どもは国の宝物」。同じ想いを持つ人たちと活動を広げていきたい。

「夫の会社で働きはじめたのが25歳の頃。この仕事をはじめたことで、アンテナをはって、新しい企画を出すのが好きになりました」。大学で児童教育を学び、児童向け英語教師となった山本由佳さん。子どもに大好きな英語を教えるのは楽しかったが、結婚を機に退職。

夫婦で話し合ったのち、夫は会社の通常の業務を滞りなく行い、彼女は経理業務を行うかたわら、新しい感性で仕事の幅を広げようと決めた。はじめての業務は分からないことばかり。しかし、新しいアイデアと人脈が集まる場は新鮮で面白かった。「振り返ると、今の仕事の基盤になったのがこの頃ですね」。

闘病中の夫と話し合って「私がやる」という覚悟ができた

山本さんが会社の代表として仕事に携わることを決めたのは、夫の病気と死別がきっかけだった。入退院が1年近く続く中、これからどうしていくべきか夫婦で話し合ったことで、覚悟が決まった。そうして歩き出した母子に、事件が起きる。

当時、高校生だった娘が、突然ひどいアトピー性皮膚炎を発症したのだ。背中は赤くただれて傷み、病院を訪ね歩くが、はっきり原因が見つからない。表に出られないほどにふさぎこむ娘を目の前にして、「母である私が元に戻してあげなくては」という思いがわきあがる。

光化学スモッグとの関係を指摘する医者の言葉にハッとした彼女はすがる思いで空気質の勉強をはじめる。「夫の会社はシロアリなど住空間に関係していたこともあり、環境資材の化学物質にも注目しました。住環境の測定士など資格をとって、そこからはじめました」。彼女のサポートのもと、娘の皮膚炎は徐々に回復。その時の嬉しさは言い表せないほどだった。

これが転機となり、住空間を整えるだけでなく、暮らす人も守るのが自分の使命だという気持ちが彼女に芽生える。「その経験を活かしてみては」と声をかけられたのは、その時だ。彼女が声をあげると、夫から引き継いだ人脈に加えて、自分と異なる分野で活躍する人たちとの新たな出会いが増えていった。

成分分析など、それぞれできることを持ち寄って『株式会社山水輝製薬』を起業。アトピーやアレルギーに悩む人のため、スキンケア用品や食品など様々な製品開発をはじめる。「空気環境やスキンケア、食など、トータルで知識を持つことが大切です。それぞれに合った方法を、自分で判断できるようになってほしい」。

娘や孫を守るように子どもたちの命をつなぎたい

「一昨年、初めて孫を抱いたんですよ」と目を細める山本さん。「私たち大人が子どもたちを守っていかなくては」。トラブルを抱える子を持つ親は、きっとみな同じ思いだという。

病院だけでは問題が解決しないという人へ、自分が悩み抜いたからこそ、その知識と経験を伝える。そのための会社と団体を作った。あたたかな日差しが届くキッチンは女性たちが、木のぬくもりある薪ストーブを備えた書斎は男性たちが居心地よく過ごせる、母親・父親ともに肌について幅広く学べるサロンをオープンした。

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