インタビュー

外国人人材を採用し、グローバルに展開するIT企業。/株式会社ヌーラボ

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プログラムと少しばかりのデザイン力があればスタートアップできる

福岡市、飲食店や美容室がひしめく大名の路地裏に本社ビルを構える『ヌーラボ』は、東京、京都、シンガポール、ニューヨークに拠点を持つベンチャー企業だ。

ここでは、日本人に混じって、スイスやドイツやインドネシアなど、外国人人材がプログラマやSEとして働く。海外のオンラインメディアに紹介された社長の橋本正徳さんに憧れて、国を越え、入社してきたのはスイス人のスティーブさんだ。「日本人が外国で働くより感覚的な障壁は小さいんじゃないかな」とは橋本さん。

2004年、3人の派遣プログラマでつくったヌーラボはシステム開発受託の会社としてスタートし、その傍らで自社開発を始めた。最初にヒットしたのは、2005年に公開したプロジェクト管理ツールBacklog(バックログ)。2009年に発表したCacoo(カクー)は、システム開発の作図機能を独立させたもので、最初から海外ユーザーを狙った。ニューヨークで開催されたインターネットサービスの展示会に出展すると、続々と海外メディアに取り上げられた。このカクー、ユーザー数は200万を越え、海外ユーザーは9割近い。

橋本さんは海外のカンファレンスで講演等に呼ばれることも多く、昨年はニューヨークと中国で登壇した。中国では、参加者3000人の前で世界各国のパネリストとともに英語で討論に参加。「途中でわけわかんなくなりましたけど、文脈関係なく自分の話をしました」。情熱は言語を越えるようだ。

楽しいものに出会う、触れる。子どもの頃好きだったものが「いま」につながる

「管理職?いないんです」。

社長、役員以外はフラットで、社員は自分たちのコミットメントで動くのだそう。
「バックログを使って各々が課題を出す。マネージメントの大部分をバックログでできます。これやってよ、とお願いすることはあっても、トップダウンの指示ではないです」と橋本さん。そのための条件は社員の意識が高く、仕事がデキルこと。新卒社員でもそんな組織でうまくいくのか問うと、「もともとできる人を採用するので」と。橋本さん自身がそうだったように、子どもの頃からプログラムを趣味でする人は多く、新卒とはいえ仕事ができる状態で入社してくるのだ。

会社のカラーは、社長の生き方や考え方によるところが多い。自由でフラットな会社組織は、橋本さんの子どもの頃に秘密がありそうだった。

橋本社長が高校時代に熱中したのは、演劇とプログラミング。地域の高校生で劇団をつくり、東京の演劇学校でまた劇団をつくった。演劇は、役者、大道具、照明、舞台監督、脚本、音響など、いろんな役割で一つの舞台をつくりあげていく。みんなでつくるその雰囲気や達成感が好きだったという。ヌーラボの組織づくりは、劇団時代に肌感覚で身につけたものとみた。

「新卒で入社、そこを辞めてからがスタートですよね。辞めた後に役にたつのは、子どもの頃、何をして遊んだかな、ということ」。楽しいものに出会う、触わる、そんな原体験を誰でも持っている。人生の迷いの時、子どもの頃を思い出してみると、案外、自分が見えてくるのかもしれない。と同時に、子ども時代の大切さを感じ入った取材だった。

img1704_venture2社内ミーティングの様子

img1704_venture3社員総会後のイベント 社内バンドの演奏風景

img1704_venture4オフィスエントランス

img1704_venture57階のフリースペースには、バーカウンターも。

img1704_venture6案内していただいたJPさんは、日本語もペラペラ。バルコニーも広い。

img1704_venture7子どもグッズもありました。

村山取材メモ

おもしろがりの精神が扉を開く

◎技術情報をウェブにあげ、出版社の目にとまり、起業前と起業後に本を2冊出版。まさにコンテンツマーケティングの走り。
◎2013年、受託をやめた。自社開発で生きていく覚悟。
◎ヒエラルキー構造は「キライ」らしい。IT企業に多いホラクラシー構造。

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株株式会社ヌーラボ
代表取締役

橋本 正徳さん
20歳まで演劇に熱中した後、父の会社の塗装の仕事をし、未経験で派遣のプログラマになる。2004年に起業。システム開発受託から、現在は、チームのコラボレーションを促進するツールを開発、提供している。


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株株式会社ヌーラボhttps://nulab-inc.com/ja/

創業/2004年
代表取締役社長/橋本正徳
資本金/1,200万円
社員数/70人(子会社連結)
社員構成/男:女=4:1
平均年齢/35歳
拠点/福岡、東京、京都、ニューヨーク、シンガポール

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