インタビュー

吉谷 愛さん/無職やフリーターなどをエンジニアに育て上げ 社員もお客様も幸せに。

無職やフリーターなどをエンジニアに育て上げ社員もお客様も幸せに。

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福岡と北九州、東京に拠点を置き、70名近いプログラマ集団を率いる吉谷愛さん。「無職・フリーターを含む千人の未経験者をウェブエンジニアに育てる」をミッションに掲げる、かっこいい女性だが、実は専業主婦になるのが夢だったという。

短大を卒業後、北九州でOLに。最初の2年は「仕事ができなくて出社するのが辛かった」と明かすが、途中で導入されたパソコンは得意だった。そこで24歳のとき、プログラマに転身。29歳で同業者と結婚し、念願の専業主婦となる。しかし、結婚から3週間で夫が体調を崩し、ふたりして無職に。「私、何か悪いことしたっけ? と絶望しました」。このままでは家賃の支払いもままならない…すぐにフリーのプログラマとして仕事を再開し、夫と在宅で働いた。

「それまで私にとってITスキルは 〟自分を認めてもらう〝 ための手段でした。でもその目的が 〟お金を稼ぎ家族を守る〝 ためになったとき、 〟お客様のニーズを実現する〝 手段としてスキルを活かす姿勢に変わりました。すると、以前より高い評価をいただくようになり、仕事がどんどん増えました」。とはいえ、優秀なエンジニアを雇うのは難しい。知り合いの無職の人やフリーターにプログラミングを教え、手伝ってもらうようになった。父親の休眠会社を引き継ぎ、社長に就任。リーマンショックの影響で仕事が激減すると、東京に引越して営業に回り、拠点を広げた。

ベクトルを外に向けて自由になろう

現在は、福岡に戻り子育て中。2年前、改めて自らを振り返り掲げたミッションは、無職やフリーターの若者をエンジニアに育てること。「今の日本は学歴・新卒社会です。かつての私のようにここで失敗した人が見放され、自己責任という言葉に傷つき、厳しい現実の中で自分を責めるのをうんざりするほど見てきました。そんな人でも環境さえあれば能力を発揮できる。それを形にして社会に問いたいんです」。そのためにエンジニア育成システムを整え、IT入門書も出版。また、自らが下請けや孫請けによって疲弊した状況を改善すべく、自社内で働けるラボ型開発事業にも力を入れている。彼女に賛同してくれる人は多く、確かな手応えを感じている。

29歳でベクトルを自分ではなく仕事自体に向けたことで「格段に稼ぐ力がついた」という吉谷さん。最後にさらりとアドバイスしてくれた。「働いている女性は過剰に周りに気を遣いすぎ。もはや呪いのレベル。他人の目にとらわれず、もっと自由になればいいと思うんですよ」。

『フロイデ株式会社』代表取締役 社長
吉谷 愛さん

1972年福岡県生まれ。短大を卒業後、北九州の会社に就職。24歳のとき、プログラマに転職。29歳で結婚退社するものの、フリーのプログラマとして復職し、36歳で株式会社フロイデの代表取締役に就任。現在はIT支援のほか、エンジニアの育成に力を注ぐ。著書に『土日でわかるPHPプログラミング教室』など。

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