インタビュー

優雅さん/いつも心に笑顔の花を咲かせたい。

優雅(ゆうが)さん
シンガーソングライター、ハウステンボス歌劇団
Profile/福岡市西区生まれ。高校を卒業後、宝塚音楽学校を経て宝塚歌劇団へ入団。月組の男役「研ルイス」として、数々の舞台に立つ。退団後は本名の「優雅」でシンガーソングライターとして活動を始め、東日本大震災の復興支援コンサート等を開催。2013年2月『ONELOVE』を全国リリース。同年7月からはハウステンボス歌劇団の主軸としても活躍中。
http://ameblo.jp/ken-luis/

いつも心に笑顔の花を咲かせたい。

涼やかな目元、凛とかっこいい立ち姿。昨年12月の本誌のクリスマスパーティでは、澄んだ歌声を披露してくれた、福岡市出身の元タカラジェンヌ優雅さん。舞台では圧倒的に華やかなオーラを放ち、会場中を魅了した。一方、取材のときの彼女は、栗色の瞳に静かな意志を宿し、言葉を選びながら穏やかに語る姿に、誠実な人柄がにじむ。「引っ込み思案だけど、舞台ではスイッチが入るんです。宝塚の月組本でいろんなNO1を紹介する企画があって、私は “ギャップNO.1” と紹介されたくらい…」と微笑む。

宝塚の男役から愛を紡ぐシンガーへ

宝塚音楽学校が過去最高の入試倍率48.25倍を記録した年、見事に合格。長年の憧れを叶えたのかと思ったら、「高校2年生のときにたまたま宝塚歌劇団の舞台を観て、男役に惚れ込みました。それまで舞台とは無縁の生活でしたが、1年間歌とバレエのレッスンに通い、受かったときの感動は今でも忘れていません」というから驚きだ。それから18年、私生活ですら1度もスカートを履かず、宝塚の男役に全てを捧げた。「とにかく男役が好きで、情熱が強かったですね。ただ、私なりの美学として、燕尾服が似合ううちに身を引くつもりでした」。35歳のとき、「これからは一番好きな歌で想いを伝えていきたい」とシンガーソングライターへ転身した。

「歌を通して伝えたい想いとは?」と問うと、「愛です」とまっすぐな眼差しが返ってきた。「私は素晴らしい出会いに恵まれ、たくさんの愛を教えてもらいました。恋愛だけでなく、家族愛、人とのつながりに感謝するような愛など、いろんな愛がある。曲に大切な言葉をのせて、皆さんに愛を届けたい」。

ハウステンボスで新たな歴史の幕開け

シンガーとして歩み出して2年、優雅さんのもとに思わぬオファーが舞い込んだ。長崎のハウステンボス歌劇団として、再び舞台に立ってほしいというのだ。宝塚歌劇団とOSK日本歌劇団出身の5人を中心に、歌劇団を結成。昨年7月からハウステンボスのテントで上質なショーを繰り広げている。今年1月11日には新劇場が誕生し、こけら落としを務めたばかり。養成所を作り、若手を育成する構想もある。「立ち上げは大変で責任も大きいけれど、多彩な分野の方が集まっていて新鮮です。宝塚歌劇団は今年100周年を迎え、伝統芸能になりました。宝塚で培ったものを基盤に、今度はハウステンボスから世界に向けて、新しい愛と情熱の舞台を発信していきたい」と力強く語る。

歌劇団では隙のない華麗な男役を演じ、ひとりの女性シンガーとしては、あたたかな愛を人びとの心に届ける。宝塚を退団後、体に染みついた男っぽい立ち振る舞いを取るのに苦労したが、今は “ふたりの私” がいることで互いによい影響をもたらし、表現の幅が広がったと思えるようになった。そんな優雅さんには原点といえる体験がある。「小学1年生のとき、学校にマザーテレサが来られて、お話を聞きました。そのとき思ったんです。私も大きな心に愛や優しさを抱き、人のために何かできる人になりたいなって」。6歳の少女に芽生えた、淡い夢。その夢はやがて膨らみ、努力を重ね、確かな実を結んでいる。「こんなに微力の私でも、歌や舞台に立つことで喜んで笑顔になってくださる方たちがいる。感謝の気持ちでいっぱいです。どんなときも心に笑顔の花を咲かせてもらえるように、私なりに活動していきます」。

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