インタビュー

高橋 俊伎さん/心揺さぶる音楽の魅力を伝えて九州の音楽文化の発展に貢献

心揺さぶる音楽の魅力を伝えて九州の音楽文化の発展に貢献

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高橋 俊伎さんへ3つの質問

Q.この仕事に向いている人は?

A.常識にとらわれず、発信したいという意識が強い人。

Q.座右の銘は?

A.「初心忘るべからず」。業界にはしがらみもありますが、なぜ音楽をやっているのか、いつも原点回帰します。

Q.この職業ならではの癖は?

A.いつどこでも音が気になる。風の音、BGM、アナウンスなど、どんな音にも反応しますね。時計のチクタク音も気になるので、自宅にアナログ時計は置きません。

さわやかな佇まいに、聡明な話しぶり。スラリと伸びた指は、しなやかで美しい。サクソフォン奏者の高橋俊伎さんは「10歳でサックスに出会ってから、やめたいと思ったことは一度もない」と言う。

当時ピアノ教師だった母親と訪れた楽器店で、店長に勧められて吹いたサックス。喘息の改善になるかもしれないと、軽い気持ちで習い始めた。中学では野球部と迷った末、吹奏楽部に入部。「経験者の割りには下手だなと先輩にいわれ、本気モードになりました」。

レッスンで通った東京の指導者に憧れ、中高の部活でも指導者に恵まれて、将来はプレイヤーになりたいという想いが確固たるものに。「サックスは音色が幅広く、クラシックやジャズ、ロック、邦楽など多様なジャンルに合う。その豊かで深い音色に魅せられました」。大学でも30名を超えるサックス専攻の同級生の中で成績トップクラスとなり、コンサートマスターを任されるなど頭角を現した。

卒業後2013年に帰福。初めは仕事探しに苦労し、月収5千円の時もあったが、地元のアマチュア楽団に団員として参加したことが転機となった。レッスンをしてほしいという依頼が少しずつ増え、紹介が広がって、今では九州の中学・高校・大学40校で指導にあたる。音楽をテーマにしたラジオ番組にも4年にわたり出演中だ。

活動の軸に据えるのは、やはり演奏活動。ソロコンサートを開催するほか、ステージに招かれたり、ギターやチェロなど他楽器とのコラボや演奏会にも参加する。「音楽は表現のツールで、プロ・アマに関わらず感情を揺さぶられる瞬間がある。僕自身、教えている生徒のはつらつとした演奏に自然と涙が出ることもあります。そんな音楽の魅力を伝える場を増やし、後進の育成にも力を入れて、九州の音楽文化の発展に貢献したい」と力を込める。

「これからも縁を大事にしながら演奏のフィールドを広げ、40代から本格的に指揮を学び指揮者になるのが夢です」。覚悟を決めれば道は拓ける、そう信じる高橋さんは、さらなる高みへと駆けのぼる。

サクソフォン奏者、音楽講師
高橋 俊伎さん

1988年北九州市生まれ。小倉高等学校、昭和音楽大学卒業。浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルにサクソフォン奏者として最年少の18歳で参加。第49回北九州芸術祭クラシックコンサートで管楽器部門優秀賞、室内楽において第47回東京国際芸術協会新人オーディションで審査員特別賞受賞。現在は福岡を拠点にフリーランスで演奏活動を行うほか、後進の育成に尽力。コミュニティラジオ天神の番組『MUSE LIFE』でパーソナリティも務めている。

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