今、多くの企業が耳を傾けている“女性の声”。
それは、女性ならではの視点と、情報・口コミ力で、
商品やサービスをヒットに導いた例も多く、
今後、消費を牽引するのは女性という認識が高まっているからなんです。
今回、商品やサービスが生まれる裏側や女性プロジェクトチームによる活動を通して、
これからの女性の声の活かし方に注目しました。
アンケート
現在、どれくらい女性の声が世の中に活かされているのか? を調査しました。
アイデアがある女性が95%いるのに対し(Q1)、
その意見を企業に伝えているのはたったの27%(Q2)。
伝えていない68%もの女性たちの声の中に、
ビジネスや世の中に役立つアイデアがあるのでは!?
そんな未来の商品やサービスを変える女性たちのことを、
編集部では「ヒットの女神」と名づけました!
そして、ヒットの女神は2タイプに分けられます。

この2つの視点で、実際に女神たちの声を活かしている
4つの事例をご紹介します!
客室の改装工事をきっかけに、8Fだけでなく10Fも女性専用フロアにすることで誕生した「スーペリアレディースルーム」。せっかく改装するならば、と全10室をすべてちがう雰囲気にコーディネートすることに。女性スタッフだけで、壁紙からカーテン、家具の色、雑貨まですべて決めていったそう。「勤務はシフト制のため女性スタッフ全員が揃うことはなかなかありませんが、カタログを取り寄せたり、携帯電話で撮影した写真を見せ合ったり、○○にこんな素敵な鏡がありましたよ! とそれぞれが情報を持ち寄りました」と、プロジェクトを取りまとめた梶井さん。そうして、「お客様に満足していただけるはず!」と同じ女性として自信を持ってオススメできる部屋が完成。また、内装だけでなく、普段から宿泊者と接しているからこその、新たなサービスも生まれた。たとえば通常タオルは、バスタオル1枚、フェイスタオル1枚が基本だが、「フェイスタオルがもう一枚ほしい」という女性が多いためフェイスタオルを2枚用意。また、メイクや着替える前に部屋でゆっくり朝食をとりたい人のために、朝食のルームサービスもスタートした。
そんな女性に優しい「スーペリアレディースルーム」は、次第に利用者も増え、一度利用するとリピーターになる人も。今では、10部屋が満室になる日も多い。チェックアウト時には利用した感想を尋ね、それを活かしてさらにサービスの改善を重ねていくそう。「今回、支配人には予算の報告を行ったぐらいで、ほとんど現場の私たちに任せてくれました」と梶井さん。『ホテルエクレール博多』では、普段から男女・職種関係なくサービスや業務改善の提案ができる環境が整っており、月に一度全スタッフの前でプレゼンする機会もあるのだとか。日々スタッフの声がサービスへ活かされ、宿泊者が快適な時間を過ごす空間づくりにつながっている。
「女性が一人でも入れるラーメン屋」。これが一風堂のコンセプト。今年の夏、全国ののれん分け店主 14人による、新メニュー開発コンペ「NWT14総選挙」が行われた。メニューのお題は「女性も喜ぶベジ彩麺」。そのお題に、正直男性店主たちは頭を抱えたそう。そこで、女性たちの意見が貴重になる。「店舗の女性スタッフにトッピングや食べ方の工夫などアドバイスをもらいながら、5〜6回試食をしてもらいました」と『一風堂薬院店』店主の和田さん。全国の店主の中には、女性スタッフだけでなく、家族や友人にも味見をしてもらい、女性好みのメニューを開発する人も。各ステージで、味(スープと麺の絡み具合)・見た目・店主の清潔感までたくさんのチェック項目が用意され、総合的に評価される。ファイナルステージの審査員は、フードライターや、ラーメンフリークの一風堂メルマガ会員などの一般の人々。そうして優勝した五反田店の「ベジ彩麺」が14店舗にて1カ月限定で販売され、多くの女性たちの胃袋をつかんだ。
和田店主はこのコンペに出て、うれしい副産物があったという。「私は残念ながらファイナルステージには進めなかったのですが、そのことを店舗のスタッフたちも一緒になって悔しがってくれました。ますます店舗スタッフとの結束力が強まった気がします」。 店舗スタッフとサービスの改善について話すことも日常で、薬院店では女性に気持ちよく利用してもらえるよう、ミント味のする爪楊枝に変えたり、パウダールームには綿棒やあぶらとり紙を設置したりと、スタッフの声から生まれた工夫も。店の雰囲気も変わってきたせいか、店舗で働く女性スタッフの数も増えているそう。これからも、貴重な意見をくれる女神たちの声を活かし、女性に支持されるラーメン屋を目指す。
創業時は、下請け工事が多い男性ばかりの会社だったという『グリーンライフ産業株式会社』。
しかし、「お客様と直接関わりたい」との思いで、受注から施工まですべてを行う、エクステリア・ガーデニングの施工専門店『グランド工房』を12年前に立ち上げた。その際、サービス業として接客を重視するようになり、山田さんをはじめ、女性社員が活躍する場が増えた。
「女性社員は細部にまで気がつきますし、表現が豊かでお客様への伝え方がうまいように思います」と、お客様サポート室長の山田さん。その信頼関係があるからこそ、工事完了後のアンケート調査には、多くの感謝の声が寄せられる。「5年間の無料点検サービスなど、アフターメンテナンスも充実させ、お客様の生活の中から生まれる要望などをキャッチするようにしています」。そんな中で、「庭の雑草の手入れが大変」という女性の悩みから、手入れ不要の庭へリフォームする人気プランが生まれたことも。
顧客満足度90%という高さは、一時的なものではなく、施工後のサポートも欠かさないスタッフの真摯な姿勢にあるようだ。
「茅乃舎のだし」は、『茅乃舎』『椒房庵』を運営する『久原本家グループ』を代表するヒット商品。中でも「野菜だし」の裏には女性担当者の存在があった。料理長が作るだしをもとに、女性ならではの味覚で、国産野菜の甘みを絶妙なバランスで整えて、家庭的な味を表現。「日本の洋食に合う洋風だし」と、多くの女性たちに愛されている。
22年前、『椒房庵』の立ち上げ当初から、会社の成長をみてきた嘉村さんは、遠方でもわざわざ訪れたいと人気の『椒房庵久山本店』の立ちあげにも携わった。「当時はほぼ女性だけで立ち上げを行いました。手書きのPOPを何度も練習したり、醤油の樽に商品をディスプレイしたり、店内に喫茶を作ったり…。来てくださったお客様をおもてなしするために、アイデアをみんなで出し合いました」。
女性ならではの細やかな気づかいも接客に活きている。それ以前は福岡市内での販売がメインだったため、「久山まで来てくれるだろうか」という不安もあったが、そのこだわりと温かいおもてなしが口コミで広がり、久山本店まで訪れる人が次第に増えていった。
ホームページや電話、商品封入のアンケートで寄せられた「お客様の声」は、全スタッフで回覧しているという。「お客様から新しいだしの使い方やレシピなどの情報を得たら、ほかのお客様へお伝えすることもあり、商品開発や店舗づくりなどの参考にもしています」。
来年創立120周年を迎える『久原本家グループ』。創業200年を見据え様々な挑戦をする中でも、男女の特性を活かし、さらに女性たちの声を反映できる職場づくりに励んでいる。
アヴァンティでも「avanti働く女性研究所」という読者コミュニティを運営し、女性たちの声をキャッチしています!
これまでの調査の結果はコチラ