将来のお金のこと
シングル女性のマネープラン、将来の不安をなくすには、一度、自分のお金の使い方を整理して見える化を!

B子の場合(35歳)
・契約社員 ・営業事務 ・年収300万円 ・1人暮らし・ボーナス、退職金なし ・貯金200万円
給料引き落としで毎月貯蓄はしているけれど、家計簿をつけるほどマメではない。このままシングルの可能性もあるので、一度自分のマネー体質を見直したい。
B子のキャッシュ・フロー
月収入 | 手取り額 | 210,000円 |
月支出 | ||
固定支出 | 住宅費(家賃) |
50,000円
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水道・光熱費 |
7,000円
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通信費 |
15,000円
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交通費 |
8,000円
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変動支出 | 食費 |
30,000円
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外食費 |
10,000円
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日用雑貨・服飾・美容 |
15,000円
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余暇交際費・趣味・学び |
10,000円
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保険 | 生命保険 |
5,000円
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貯蓄 | 財形貯蓄 |
30,000円
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支出合計 |
180,000円
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月の収支残高 | 30,000円 |
年間財形貯蓄 | 360,000円 |
年間収支残高 | 360,000円 |
年間で貯まるはずのお金 | 720,000円 |
実際毎年貯蓄できているのは、50万円くらい
資産 | ||
銀行・ゆうちょ | 200,000円 | |
財形・積立 | 1,800,000円 | |
投資 | 0 | |
資産合計 | 2,000,000円 |
これからは個人に資産運用の知識が求められる時代です。今の自分のマネー体質を知り、プロの力を借りながら、少しずつでも今から学んでほしいと思います。
1級ファイナンシャルプランニング技能士 木村 勝先生
http://www.k-fp.co.jp/
マネー体質見直しの順番
1.まずは現状整理を
月の収入と支出、今の資産を右のように書きだす。B子の場合、毎年72万円貯まっているはずだけど、実際の毎年の貯蓄額は約50万円程度。
⇨ 交際費や趣味など、いろんなものに使ってしまっていると考えられる。
2.使途不明金を作らず「使いたいお金」は先に予算化を
⇨ ①のように年間で何かと使っている「使途不明金」は不明にせず、「やりたいこと」として優先順位を決め、予算化を。B子の場合、「美容、交際費、習い事には年間20万円までお金をかけていい」と決める。
3.60歳までの貯蓄額と、老後必要なお金を比較
⇨ 年間の貯蓄額は72万円―20万円(やりたいこと)=52万円と決めると、60歳までにはあと25年働くとして、52万円×25年=1,300万円の貯蓄ができる。60歳まで働き、85歳まで生きるとして、老後に必要な貯蓄は、年金を差し引いても約2,500万円(一般的な試算)とされているので、約1,200万円足りない計算に。
4.お金を「殖やす」ことを考えよう
⇨ 1,200万円足りないからといって、毎月無理な節約をしたり、貯金をしようとしても続かない。ならば、お金を「殖やす」という資産運用や投資の知識を身につけることが必要。例えば節税をしながら積立投資ができるiDeCo。B子の場合は、1カ月に23,000円の投資で、年利6%の複利運用ができれば、60歳までには約1,600万円の資産が形成できる計算となり、足りない1,200万円分をカバーできる。
B子の老後資産をiDeCoで資産形成すると…
iDeCoでどのくらい節税ができる?
iDeCoは課税所得に対して、所得税の5%、住民税の10%が非課税となるとすると、
年間積立 276,000円(23,000円/月×12カ月)の中から
・所得税 13,800円(年間積立額の5%)が その年に軽減される
・住民税 27,600円(年間積立額の10%)が 翌年に軽減される
合計41,400円(13,800円+27,600円)を節税しながら積立投資ができる計算に。
積立を6%の利率で複利運用していくと、60歳にはどのくらいの資産ができる?
条件/1カ月 23,000円の積立(年276,000円)を、年利6%で複利運用できた場合
〈計算方法〉 ※「GT」キーのある電卓を使用すること
①1.06(利率)×× 276,000円(年間積立額)※「×(カケル)」キーを2回押す
②=(イコール)キーを25回(運用年数回)押すと 1,184,556円となる。
これは1年目の276,000円を年利6%で25年間複利運用した場合の元利合計額。
③ 最後に「GT(25年間積立した総合計)」を押すと 16,051,161円となり、60歳の時には、約1600万円の資産が形成できることになります。
※単利と複利の違い
単利とは…元本だけに利息がつきます
複利とは…元本についた利息も含めた金額に利息がつきます
運用初期は、単利と複利の差はさほどありませんが、運用年数が長くなればなるほど加速度的にその差が広がっていきます。
単利 | 複利 | |
元本 | 276,000円 | 276,000円 |
1年後 | 292,560円 | 292,560円 |
2年後 | 309,120円 | 310,113円 |
3年後 | 325,680円 | 328,720円 |
4年後 | 342,240円 | 348,443円 |
5年後 | 358,800円 | 369,350円 |
10年後 | 441,600円 | 494,273円 |
20年後 | 607,200円 | 885,169円 |
25年後 | 690,000円 | 1,184,556円 |
iDeCoとは?
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、毎月の掛金を自分自身で運用しながら積み立てて、原則60歳以降に受け取るしくみ。掛金は毎月5,000円から1,000円単位で選ぶことができます。
(掛金の上限は勤務先の年金制度により決まります。)
3つの税制メリットが特徴です
1. 掛金が全額所得控除される
毎月の掛金が仮に2万円の場合、その全額が税額軽減の対象となり、所得税(5%)、住民税(10%)とすると年間36,000円、税金が軽減されます。
2. 運用益も非課税で再投資
通常、金融商品を運用すると、運用益に課税されますが(源泉分離課税20.315%)、「iDeCo」なら非課税で再投資されます。
3. 受取る時も大きな控除
「iDeCo」は年金か一時金で、受取り方法を選択することができます(金融機関によっては、年金と一時金を併用することもできます)。年金として受取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。
参考/iDeCoの実施主体である国民年金基金連合会の特設サイト「イデコガイド」